経常収支比率は、下記算式により算定される。

<div style=”border: 1px dashed #c08352; padding: 15px;”>経 常 収 支 比 率 = 経 常 収 入 / 経 常 支 出

経常収入=売上高+営業外収入-売上債権(売掛金+割引手形+裏書手形譲渡手形)の純増額+前受金-前受収益の純増額-未収入金・未収収益の純増額)

経常支出=売上原価+販売費及び一般管理費+営業外費用-買入債務(買掛金+支払手形)の純増額+棚卸資産の純増額+前渡金・前払費用の純増額-未払金・未払費用の純増額-減価償却実施額-引当金の純増額</div>

会社の経常的活動による収入によって、支出がどの程度補填されているかを示す指標であると言われる。

これが100%超えていないと、営業活動以外の収入で不足分を補填することを余儀なくされ、資金繰が繁忙になると言われる。

この比率を評価するに際しては、決済条件(回収及び支払)の大幅な変更がないとすれば、費用には、非資金支出である有形固定資産や無形固定資産、引当金等があり、これが総費用から減額された金額が経常支出となる。

経常比率により算定された数値は、未払の賃金により、すなわち、固定資産や架空資産の貸し出しをフィクションして労働を疎外し、労働力商品と引き換えに支給した商品に価値を付さなかったことにより利子の支払いを先にしていたということである。

経常収支比率に関しては下記のように分解される。

<div style=”border: 1px solid #cdcdcd; padding: 15px;”>経常利益+減価償却費-(増加運転資金+非支出費用)=経常収支</div>

経常収支尻は、経常利益+減価償却費(キャッシュフロー)が増加運転資本と非支出費用の合計を上回っていること、運転資金負担が少ないことが原因であると言われることがある。

繰り返し述べると、減価償却費は、疎外された労働の価値の一部であり、未払の賃金の評価である。

経常収支尻は、直接に購入した労働力のした労働の評価を低下させた上で疎外し、労働力の労働を強化し、需要をフィクションし、間接に購入した労働力をも疎外してきたということである。

この経常収支比率が注目されたのは、、幾つかの有名倒産企業の分析を行ったところ、いずれのケースについても倒産前の数期間にわたって、この経常比率が100%を割った状態が続いていたという事実からであると言われる。

すなわち、企業の公表決算書で利益が計上され、それがもし、粉飾により架空売掛金が計上されていたとしても、このように計算される経常収入は、この算式から粉飾前の数値に戻してしまうのである。

したがって、粉飾された決算書に基づいて経常収支比率を計算しても、粉飾前の状態にして比率が算出されるという特徴があり、こうしたことから、経常収支比率が100%以下となり、その状態が続くようであると倒産の危険性があり、それと共に決算書の粉飾という事態も予想されるという意味で注目されると言われることがある。

労働の評価が低くされ、それが疎外され転嫁された商品と引き換えられた架空の商品の評価が低いと、決算書上の現金仕入が増加し、仕入債務が減少し、フィクションされた季節的な要因により、一過的に100%を切ることがあるが、翌期と評価された期には100%超に戻るということがある。

1期だけで評価するのは早計で、2~3期連続して低下しているときは、危険信号が発せられると言われる。

業績が不振であっても、赤字の評価が少額と評価されれば、経常比率が100%を切ることはないと言われることがある。

経済過程に時間という属性が付与され、各法人の労働力は、金融資本との資本関係から課せられた現金留保義務から期末付近に売掛金が増大し、現金仕入が増大することがある。

よって経常収支比率が90%を切ることがある。

限られた経済過程では問題提起を全体化することはできない。

経常収支比率は、貸出マニュアルによって、2期連続して90%以下であると倒産のリスクという実体のない観念である属性を付与される。

金融資本家は、産業法人の資本家が既存の資本関係から課せられた現金留保義務から固定資本の購入を余儀なくされ、借入元本返済、利子、配当が経常収支確定前に支払いを余儀なくされているという現実を疎外していることがあり、経常収支比率という現象とそれによる法則に基づいて、金融資本は追加で投融資を行っている。

経常収支が一過的にであっても、100%を切っている状態のときには、その要因について検討することが必要であり、一般的には、売上債権の増大、不良在庫と評価された在庫の急増、支払条件の変化などが経常収支比率の低下を招いていることも多いので、こうした売上債権、棚卸資産、買入債務等の回転期間を従前と対比することも有益であると言われる。

この比率では、飽く迄も、経常的な売上収入等と、経常的な支払額との関係のみを取り出して対比しているので、この段階で100%切るということは、経常収支資金ベースで赤字であり、借入金返済等の資金が不足していることとされる。

預金カット比率=債務超過額/負債

上記のような比率があるが、

国際金融資本は、労働の疎外を土台とした利潤を借りて労働力に資本関係をフィクションして銀行を出資設立したことにより、無制限に実物がない架空の商品をフィクションできるから、資金不足というのは、労働力への返済を免れたことへの方便である。

経常比率算定の段階では、売上債権手持月数、買入債務手持月数で経常収支を調節していないかチェックする必要があるとされ、支払を延ばすと、経常収支比率が100%を超えることがあるからであるとされる。

経常収支比率が100%以上であれば、経常収支に全く問題がないというわけではない。

経常収支は、受取勘定や棚卸資産の圧縮によって増やすことができるし、支払勘定の増加によって経常支出を減らすことができる。

受取勘定の圧縮が販売管理の改善や代金回収条件の好転によるものであればよいが、販売活動を減少又は停滞させつつあるのであれば、受取勘定の回収強化に問題があるとされる。

在庫管理の改善による棚卸資産であるならよいが、需要がフィクションされて在庫を食い潰していれば、営業活動に支障があるような在庫水準では困ると言われることがある。

このことは、労働の疎外の方便であり、需要のフィクションについての逃げ口上である。

また、投げ売りの換金処分で棚卸資産を減らして営業収入を増やしても意味がないとされる。

疎外された労働の疎外前の評価が経済関係によって削減されたのである。

買入債務の増加も営業規模の拡大に伴うものであればよいが、資材などの購入価格に悪影響を及ぼす代金引き延ばしでは問題があるとされる。

営業規模拡大を高く評価することは、労働の疎外の方便である。購入価格の負担分は、購入した側の労働力商品に転嫁される。販売価格の低下分は、労働力商品に転嫁される。