マイナンバー制は、最近、決まったことではない。発表されたのが、ここ数年のことである。間もなく、住基だけでなく、マイナンバー入りの個人カードにチップが埋め込まれることも発表された。

国際金融資本にとって、国債、株式のフィクションの実体化の土台となる利潤の土台は、労働の疎外である。労働者に、通貨をフィクションさせたり、金融機関を出資設立させたり、金融機関の架空資本を購入させたりするわけにはいかないのだ。

産業を興させて融資を受けさせるか、産業資本の奴隷になるかをさせなければならない。国際金融資本は、金持ちのいない社会、世界を作らなければならないのだ。そこで、共産主義を後付の方便にしたのだ。国際金融資本は、全ての労働者に預金をさせ、労働者への貸付けをフィクションしなければならない。

国際金融資本は、銀行と資本関係があるから、銀行の労働者を使用して、全ての預金者の全取引を調べさせ、把握することが、既に可能であった。税務署職員や預金者には、通帳の記載自体からは、生活実体の内、事業者として契約していないカードを使用しての預け入れ取引についても国際金融資本は暗証番号とオンラインから調べさせて把握することは可能であっただろう。クレジットカードをフィクションすることによって、紙切れと労働疎外済の商品やサービスを引き換える取引を減らすことに成功した。

消費税の簡易課税が創設された。消費税計算の煩瑣を避けるというのは後付の方便である。消費税の簡易課税の区分は、5種から6種に増えた。

印刷業、飲食店のように複数の事業に跨る事業をしている経済実体は、商品、労働力商品の購入先、当該事業、納品先での労働を疎外して利潤に価値を付与するまでの過程が異なる毎に、業種が異なるから、紙一枚毎に有償支給か無償支給か、客ごとに、店内で食べたか、テイクアウト、宅配にしたかを区分しなければならないのだがーこれは、軽減税率が導入されたり消費税率の改定毎にもしなければならなくなるのだがー外資やホールディングス系でない零細事業者はシステムを導入していないから、現実には、一つ一つ区分分けして記録などしていない。

マイナンバー制が導入されてからは、多忙を言い訳にしてこれらを区分して記帳しないわけにはいかなくなるのだと思わせる。客にマイナンバーの入った個人カードを提示させて売る、マイナンバーの記載された個人カードを提示しなかった客には売らないという対応を余儀なくさせる。国際金融資本が消費を完全に把握することに近付けることで、収入の把握漏れを完全に抑えることに近付け、国債を負担させて、貧しくさせることができるのだ。

何か一つ制度が実現に向かったら、それは、国際金融資本の金融システムの完成への過程にあるものの一つだと考えなければならない。金融資本経済システムの完成が、労働の疎外のフィクションを土台に、国際金融資本に付与された権利課せられた義務であり、簡易課税も軽減税率もマイナンバーも手段である。手段によって権利義務が実体化されるのだ。

冷静に考えれば、日本においては、インボイス方式は採用されておらず、総額表示で差し支えない。事業者はレジの改修を行う必要はないし、読み取り端末を買う必要もない。客も個人カードを持たなくても買い物させることができる。国債をフィクションしているのも、国債を購入して紙切れをフィクションしているのも国際金融資本である。紙切れのフィクションは事実上制限がない。国際金融資本が債務を返済できないということはありえない。メディアの情報を信じてそれを拠り所に政府批判をしている老害や国家財政が危機だからやむを得ないと言っている奴らのようにはなって欲しくないのだ。