労働者は、資本、生産手段を持たない。肉体と生活過程を売って生計を立てている。モチベーション、やる気は実体のない観念である。使用人には予め性格、特性は備わっていない。観念は資本関係、経済関係、生産関係を土台に形成されるが、実体はない。姿、形のない、使用人のモチベーション、やる気の有無、性格を、資本は決め付けることができるのであろうか。使用人の考えていることがわかるのであろうか。決めつけたとしても、それは資本の側の実体のない観念にすぎない。労働力商品を購入した以上、資本の投融資する事業の繁閑に関係なく、モチベーション、やる気の有無に関係なく、資本は、生産関係上、休暇を取らせる義務があるのだ。休暇を取らせる取らせないについて、資本の側に柔軟な解釈,運用をする裁量権は生産関係上、実体関係上、与えられていないのだ。有給休暇に稼働したか否かを給与の査定に反映させることはできないのだ。資本の側に、実体のない観念について裁量権を与えるとどうなるか。疎外労働は更に拡大するであろう。