所得は、財の使用、労役の提供による効用、満足と説明されるが、効用は土台のない観念、実体のない観念、満足は実体のない観念である。金、紙には価値属性は備わっていない。紙、金、架空資本、土地、権利、全ての資本は存在して、経済実体に知られ、労働の提供を受ける前に貸し付けた段階では利益を産まず、資本は増殖しない。利子、配当、地代、権利の使用料は実体のない観念である。所得は偶発しない。

所得の源泉は、金、紙に価値属性を付した紙幣であっても、価値属性の付与の過程においても労働力商品の価値又は労働の価値の疎外があり、所得が実現する過程において、労働の疎外があり、所得の土台となったものは労働である。所得は労働の疎外を土台とした収入プラス消費である。所得は、労働の疎外を土台にした内部留保である。地代も土地の貸し付けを受けた経済実体の労働者の労働を疎外したことを土台に実現する。

架空資本の引渡し、馬券購入による収入も、生産手段、労働力商品の購入なく、投融資を受けた経済実体の労働者の労働を疎外し、原価の建たない配当所得であるが、労働の疎外の事実を隠し、偶発による所得であるとし、架空資本の原価を経費計上してきたり、資本関係を土台に配当所得は課税されずにきた。ロックフェラーは、連邦準備基金(FRB)設立を基礎に立法された累進所得税導入前は、石油の生産販売による所得を労働の疎外の事実を隠して偶発したものとして課税を免れてきた。ロックフェラーは、累進所得税を立法した後は財団を設立し所得税、相続税の課税を免れてきた。譲渡所得、一時所得の架空資本の原価の全部又は一部の経費算入を認めることで、持株法人、金融資本の土地譲渡益、事業所得を偶発、一時、一回のものとして課税しないことで、国際金融資本の資本増殖を拡大再生産させてきたのである。