工場建設について、付近の住民の反対運動により、工事遅延となり、別途借地料、倉庫料を要して資材を保管した場合には、工場を建設した経済実体は、資本関係から、工場建設の間も、既に有している生産手段を貸与して、労働を疎外し、土地、倉庫の使用と引き換えに現金商品を支出し、疎外した労働を資本に転嫁せざるを得ずないから、工場の取得の基礎となった支出たる工場の取得価額ではなく、労働を疎外し、疎外した労働を転嫁する毎に費用が実現するものと考えられる。