過少申告加算税は、修正申告又は更正に基づき新たに納付することとなった税額(還付金の額に相当する税額を含む)の計算の基礎となった事実の内にその修正申告又は更正前の税額の基礎とされていなかたことについて正当な理由がある場合には、その部分につきこれを課さないとしている(国税通則法65条4項)。

修正申告又は更正により納付が義務付けられた税額が、期限内申告税額又は50万円のいずれか多い金額を超えるときは、その超える部分の税額に係る過少申告加算税は、1項の規定による10%の加算税に更にその超える部分の税額に5%を乗じて得た金額を加算する(同65条2項)。

第二項の規定により過重される場合においても正当な理由がある場合には、その部分の金額は修正申告又は更正により納付することとなる金額から控除される。

正当な理由がある場合とは、申告所得税について言えば、

1.税法の解釈に関して、申告当時に公表されていた見解が、その後、改変されたことに伴い、修正申告をし、又は更正を受けるに至った場合、

2.災害又は盗難に関し、申告当時に損失としたが、保険金、損害賠償金等の支払を受け、または盗難品の返還を受けたことにより、修正申告をし、または更正を受けることとなった場合、

3.その他真にやむを得ない理由があると認められる場合とされている。

執行官の職にある者が当初の申告に際し、その年に支給された旅費、宿泊料が記載された帳簿、資料を提示して税務職員の助言を受け、これらの旅費、宿泊料を事業所得の収入金額としなかったところ、その後、これらを収入金額とする更正が行われた裁判例がある(札幌地判昭和50年6月24日)。

札幌高判昭和51年10月29日及び最判昭和52年6月14は、当該事実認定を否定して、税務署の申告指導に応ぜず、自己の誤った見解を固執したものであって、正当な事由は存しないとした。