ゴルフ年会費1年分をを事業年度末日付近に支払った場合に短期前払費用の名目で損金に算入し得るか。

商品と労働力商品の交換は、労働力の再生産という点からすれば、時の経過ではなく、現実の労働があったのみならず、労働の現場や通勤に拘束されている場合も含め、労働の提供があった段階でなければならない。

年会費を払った者がプレーしたときのみ、ゴルフ場の労働者の労働があるのではなく、いつ訪れてもプレーできる状態に維持管理をしてくれているわけであるから、税理士や弁護士の顧問料とは経済関係が異なると考えられるであろう。

法律上も前払費用の要件すなわち、契約に基づいて継続して経済利益の享受、役務の提供を受けることを認めさせていること、役務の提供により金銭を支払わざるを得ないこと、現実に役務提供について金銭を支払っていること、翌事業年度以降、時の経過に応じて費用とされることが契約上認めさせていることに該当し、支払った日から1年以内に役務の提供を受けていれば、前払費用として損金算入しうると考えられる。

交際費は、現実に接待を行っている日、役務の提供を受けた日に基づいて損金算入時期が決定するが、短期前払費用の規定は、既に役務の提供を受けることを契約上認めさせ、現実に役務を継続して受けてきたことを土台に事業年度末現在未だ役務の提供を受けていないものについても、金融資本家と税務署長の生産関係上、損金に算入することを認めざるを得ないことに成功したものであるから、短期前払費用の要件に該当していれば、交際費を理由に短期前払費用支払時の損金算入は否定し得ないものと考えられる。