国税庁の質疑応答事例に、担保物がある場合の貸倒れについての国税側の回答が追加された。第五順位の抵当につき、担保物に係る劣後抵当権が名目的なもので、実質的に担保が付されていないことが明らかである場合に、担保物を処分する前であっても貸倒れが計上できる旨の回答を行っている。

第一順位の抵当権の場合は別として、第二順位であっても現実には回収できないものは貸倒れとして取り扱う旨を回答している。

保証人がいる場合の保証人から回収できないケースとして、保証人の収入が生活保護程度で、資産状況も生活に不可欠なものしかないということを回答している。

担保を設定し、債務を返済するプロセスにおいて、現実には、信用であるとか保証であるとかの実体のない方便により担保の供した生活、生活の土台となる資産は、金融資本家の下に渡り、返済できなくなり破産廃止、清算となるや、金融資本家の所有となることが確定し、既成事実となる。第一抵当権は、銀行、投資信託会社といった金融資本家が取得し、産業資本家は第一抵当権を取得できず、担保物件の処分による配当を受けられないことがある。

金融資本家は、債務者の資産を自己の所有とした後、第三者たる資本家に譲渡して、譲受者に投融資を行い内部留保を蓄積していき、金融資本家は、他の資本家が買収又は破産、清算させることができなくなる規模に膨れ上がる。日米中央銀行を所有するアメリカ金融資本家に所有されている金融資本家及びそのまた子会社の金融資本家は、貸付先を破産、清算に生ぜじめても、国内に所在する全ての資本家から税金の投入を受けられ、親会社の金融資本家から投融資が受けられる。

債務者が金融資本家との資本関係、生産関係、経済関係から、借入を行わざるを得なくさせられた場合にまで、担保物を取得、処分する前又は後に貸倒れを認めてしまうことには問題がある。中小事業者間の債権債務については、担保が付されておれば、債権者側も債務者側も生活、生活の土台となる経済関係が成立し得ないことがある。金銭債権の債権者が中小事業者か金融資本家かによって債務者との間の経済関係は異なる。債権者、債務者間、債権者、債務者各々の経済関係上、生産関係上、資本関係上の事実関係を全て摘出列挙して貸倒れの計上を確定させる必要がある。