これまで述べてきた収入の源泉、利益の稼得、資本の蓄積等、価値の創造(フィクション)のプロセス、構造を考慮すると、法人、個人共に担税力が高いものとしては、利子所得、配当所得、不動産所得といった不労所得、その次が事業所得、最も低い所得が給与所得担税力であることが理解できる。給与所得のみの使用人は、生産手段を所有せず、貸付けや譲渡により貨幣に転化させることのできる資産を所有せず、自らの身体のみを社会関係に提供することを収入の源泉とし、怪我や病気により労働することができなくなった場合に収入の源泉がなくなるからである。