他人資本である債務は、自由意思の介在する余地なく返済せざるをえないものである。したがって、法人株主は商品や労働力商品を購入し、使用人に生産し役務提供を行わせ、商品を値引きさせ、仕入先労働者を搾取し、使用人が作り出した利益を使用人が生存して再生産を行うのに必要な部分を残して搾取し、内部留保を作り出す。その内部留保から債務を返済するのである。当該法人の労働者や仕入先労働者に貨幣が現実に行き渡るのはその後である。法人の労働者は、株主と債権者双方から搾取を受けるのである。