販売会社において、外交員が自らの販売実績を前倒しして、翌事業年度に入ってからの販売実績の一部を当事業年度末の販売実績として会社に報告したとする。税務調査等において、当該売上が翌事業年度に属するものであることが判明した場合、調査官は、外交員報酬の内、当該翌事業年度分の売上に対応するものについて、在庫計上すべきと主張してくることがある。しかし、外交員といっても、その報酬が、取引高を基礎とするものから、取引高や成果物の有無にかかわりなく、日割りで確定するものまで存在する。したがって、外交員報酬が日割りで確定するものであることが契約書等から明らかであれば、在庫計上は要しない。契約等において明らかでなくとも、労働者の報酬は、労働を提供する毎に、日割りで確定し、毎日支給される義務があるものであるにもかかわらず、月一度の支給日まで待たされている。報酬の支給日に支払金額が確定するのではないから、当事業年度中の最後の報酬算定の締日翌日から当該事業年度末日までの報酬についても損金として認められるものである。