シンジケートローンとは、顧客からの資金調達の要請に応じ、複数の金融機関からなるシンジケートを組成し、一の融資契約につき、同一の条件の下、融資を行うという資金調達手段である。

主幹銀行がアレンジャーとして、金利、契約機関等の貸出条件の設定、交渉を行い、契約書の作成を行い、複数の金融機関が分担して融資を行うこととなる。通常、契約締結後、主幹銀行が貸付人の代理人となり、元本の受払い等資金決済等の事務を取りまとめることとなる。

借受人は、組成手数料(アレンジメントフィー)の他に、ローン期間において事務管理手数料として、エージェントフィーが発生することとなる。

アレンジメントフィー、契約時の前に、役務の提供が完了し、契約書案組成に対する請求権が発生し、その対価の金額を確定しうる関係にあるから、法人税法上の債務確定基準(法22条3項)により、一時の損金として認められると思われる。

また、契約の成立するしないにかかわらず、発生しうるものであるから、試験研究費同様、いわゆるドブに捨てる金であり、訴訟の際の着手金(近年では、一時損金とする見解も有力)同様、返還不要が確定していることからも、一時損金となるものと思われる。

一方、エージェントフィーについても、利息とは請求権発生原因が別の物であり、返済口座等事務手続、月々の返済計画についても、契約書内容に盛り込まれ、契約時に確定していることから、一時の損金とできそうに見えなくもなさそうだが、返済期間が複数年月等にわたり、事務代行という役務提供(考えられるとしたら半年に一年位の利率の見直し等)が毎月発生するとされているから、疎外労働の評価が架空商品と引き換えられ、時間という属性が付与され、期間の経過に応じて損金算入されるのではないか。