法人が他人の所有する建物の一部を前入居事業者からの売買という形で、取得し、外壁塗装工事と内装工事を行い、新たに、事業年度末までに前入居者とは別の業務を行った。外壁塗装工事は、前事業者が所有していた時代においても、三年に一度位、一定の周期で行われていいた。

建物取得後に、従前より当該建物の資本を増殖したりしない、敷衍すれば、生産過程のサイクルを短縮せず、延べ労働過程を延長することにもならない外壁塗装及び内装工事を行なったとの答弁をしたとする。

そのような場合、当該、外壁塗装工事及び内装工事は、修繕費として認められるだろうか。

法人税基本通達は、下記のようにいう。

7-8-1 法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち、当該固定資産の価値を高め、又は、その耐久性を増すこととなると認められる部分に対応する金額が資本的支出となるのであるから、例えば次に掲げるような金額は、原則として資本的支出に該当する。

(1)建物の避難階段の取付等物理的に付加した部分に係る費用の額

(2)用途変更のために模様替え等改造又は改装に直接要した費用の額

(3)機械の部分品を特に品質又は性能の高いものに取り換えた場合のその取替えに要した費用の額のうち通常の取替えの場合に要すると認められる費用の額を超える部分の金額

(注)建物の増築、構築物の拡張、延長等は、建物の取得に当たる。

資産には、価値や耐久性や品質や性能は予め備わっていない。労働が利潤の評価を産み出すことに注意して読なければならない。

学説には、下記のようなものがある。

基本通達7-8-1(2)とは別に通常の維持管理が行われず、たまたま改造又は改装のときに、これと併せて、そのまま放置されていた部分を行うケースがあることも事実であろうと考えられます。

そこで工事指図書、見積書、請求書、現場写真等によって、それが7-8-2本文でいう「き損した」ものであり、その補修が同じく「原状を回復する」ためのものであることが立証された場合に限って、これを改造又は改装の費用と区分して、修繕費をして認められることがあってもよいのではないかと考えます(河出博、成松洋一・減価償却資産の取得費・修繕費223-224頁)。

改装したのも、改装を放置していたのも、追加に貸付けをフィクションせずに、労働を疎外して利潤を増すという経済関係上の義務に基づくものであり、改装して一労働の完結までを架空の商品と交換して評価した時間を短縮したことによる、疎外労働の強化するという経済関係上の義務を基礎とする。たまたま修繕するということはありえない。原状を回復するためという実体のない観念である目的を立証するのではなく、当該生産手段を貸し付けた当初にまで回復させ、労働を疎外したことによる利潤の評価が、当該生産集団を貸し付けた当初のレベルを超えないことが実績として証明できたときに修繕費として認められると考えなければならないであろう。

学説は、更に次のように言う。

部長室を会議室に変える場合について、模様替えいかんでは新規資産の購入もあり得ることであり、その場合は、7-8-3(1)の20万円基準が使用できることもありましょうし、椅子等については、新規資産の取得といったケースもあろうかと思います。

食堂の屋根の色を変えることにつき、それが建設業者の責めに帰するのであれば、その塗替えは無償になるかと思いますが、そうでないとすれば、よりよい色調を求めての工事として塗替費用を取得価額に算すると共に当初の塗装費用の額は、除却処理が可能なものと考えられます(同上336頁)。

会議室の件は、実体に使用を変えて労働をさせたという実体がなければ用途の変更があったとは言えない。

金融資本は、法人資本を使用して、貸出しをフィクションし、労働者は、資本を代理して塗装をしているのであるから、瑕疵があれば、損害賠償義務は、金融資本にあり、無償で塗装をさせたとしても、労働力による労働の評価を低くされるものではない。

色合いを変えたいというのは実体のない観念であるから、現実に塗替えにより、労働が架空商品と交換されて短時間の評価がされたり、より継続してそれを貸し出して疎外労働をさせることができて、利潤が増加したのであれば、資本的支出に該当すると思われます。

上記のケースでは、例え、通常の維持管理、原状回復に該当するような費用であっても、現実の用途変更したことに伴う事業供用費となるものとして、資本的支出となるであろう。建物には価値属性は備わっておらず、貸与して使用すること、貸与して使用させることがストップしていれば資本は増殖しないのであり、使用を再開することで資本が増殖するからである。

また、使用に耐えうる建物を取り壊して新たに建物を取得した場合の取扱い(法基通7-7-1)の存在から、また、既存の設備造作等の解体費も、既存の設備造作に係るものであるとみることもできるから、自己所有の建物の建替えの際の解体費同様、当該解体費も損金算入できるのではないかについても、当該解体費は損金とはならず、取得の基礎となり資本的支出となるであろう(前記建替えの事例についても、新建物の取得価額に含めるべきとの見解が見られる)。解体することによって、事業が行いうることとなり、労働を疎外して資本を増殖できるからである。

解体に係る人件費も施行業者の労働者、工事を行った法人の使用人の労働を疎外し資本を増殖する。資本的支出となる。そして、建物帳簿価額の内、固定資産税納税通知書や固定資産残存価額表等により、再取得価額が計算でき、解体した部分に相当する金額が算定できれば、その部分は除却損として処理されることとなる。生産を行っていなかった住居であった建物を取得し建物又は器具備品を資本関係上の義務に基づく原状回復工事又は取替えを行い、建物及び器具備品を賃貸し収益を得た場合、資本は増殖しているから、資本的支出である。取得の目的は実体のない観念であるから、目的と交渉して事実確定を行うことはできず、工事前の使用の実体、資本の量から資本的支出か修繕費かの事実確定が行われる。なお、土地(借地権含む)と共に取得した建物を取得後おおむね1年以内に取壊しに着手し、「土地」を利用した場合は、取壊費用と取壊建物の取壊時の簿価は土地の取得価額に算入する。この場合も取得の目的と交渉して事実確定を行うことはできず、取壊し前後の土地の使用の実体、資本の量から取得簿価か損金かの事実確定が行われることとなる