例えば、クリーニング業の場合、依頼のあった衣類や自社の設備、材料等物的関係の制約から全て自社でこなせるわけではなく、外注にまわすこともありうる。事業年度末に外注にまわしたワイシャツが翌事業年度の初日に役務の提供が完成し、依頼してきた顧客に引き渡したとする。この場合、期末月の外注先からの請求明細の内、翌事業年度に完成引渡しをしたものに係る部分の金額は、仕掛品となる。つまり、期末月の請求書総額の内、上記のワイシャツに対応する部分の金額は、仕掛品ということになる。税務署等からこの種の指摘がさほど見られなかったのは、クリーニング代は、前金制で、注文時に顧客は代金を支払い、クリーニング業者も、代金収受時を返還不要確定時とみなして収益計上を行い、課税行政庁に認めさせることに成功しただけである。原則としては、売上計上時は、役務提供完了時である。