この時期になると9.11事件のことが話題となる。アメリカとアラブ諸国、イスラム諸国と呼ばれる国々の対立は、石油資源をアメリカをはじめ経済大国が略奪搾取したことが原因で、宗教戦争などではない。ましてやこれらの国々における独裁政権を打倒して民主政権を樹立させる必要性などアメリカの大義である。
アメリカをフィクションした国際金融資本のロックフェラー、ロスチャイルドは、独裁者の利益を引き継ぐつもりでいるのだ。アメリカは、9.11という言語の創出だけでなく、自作自演という形で、「実践」まで行なって、悲劇の主人公としての性格をそこに与え、イスラム教国家と呼ばれる国家の中に架空の宗教組織を創出し、「テロ支援国家」と定義し、そこに、悪としての性格をこめる。鳩山がアルカイダと友達だと言って叩かれたのは、本当のことを言ってしまったからだ。そして、ブッシュや小泉は、アメリカに正義の性質を与え、テロに屈するなと愛国心を鼓舞し、日本の戦争参加を肯定した。一流大学を出た都心の財界人は、軍隊派遣が日本の国際貢献だと力こぶを見せつけ、子供たちにその重要性を説く。一方、貧しさゆえ、学校に行けなかったアラブの労働者(大人も子供も)は、テロが虚構であることなど、当たり前のように認識し、産油国とアメリカの問題の構造や核心が経済諸関係であることなど余裕で知っていて、ブルジョア経済学者や大新聞なんかよりずっと的を得たことを語っている。