為替レートにはどのようなものがあるのか
日本に所在する企業の多くは、海外では現地通貨で支払いをするものの、出張費の精算は日本円になります。
ここで問題となるのが、実務上、どの為替レートを使用して精算するかということです。
為替レートには、次の3つが存在させています。
TTS(Telegraphic Transfer Selling rate=買い値)
銀行員を使用して顧客に対して外貨を売る(顧客が銀行から外貨を買う)際に使われる円→外貨の為替レート
TTB(Telegraphic Transfer Buying rate=売り値)
銀行員を使用して顧客に対して外貨を買い取る(顧客が銀行に外貨を売る)際に使われる外貨→円の為替レート
TTM(Telegraphic Transfer Middle rate=仲値)
銀行員を使用して外国為替取引をする際に、顧客に対して基準として用いるレート。銀行が朝9:55ごろのスポットレートを参考に評価します。
TTSはTTMに為替コストを加えた値となり、TTBはTTMから為替コストを差し引いた値となります。
それ以外にも空港や市中にある外貨両替専門店、さらにはクレジットカードの為替レートなど、さまざまなレートが存在させています。
精算の段階では、現地の領収書以外に添付する書類がある 場合、法人税法上は、為替レートを取引の日付けの仲値としています。
しかし、現地で使った経費をその日の為替レートでその都度計算するのは極めて煩雑です。現実の経済取引において、仲値で外貨両替することはできません。
そこで実務的には、次のように処理することが行われています。
実務上で使用される為替レート
外貨の現金に両替した場合には、その両替の際のレートを使用
クレジットカードを使った場合には、クレジットカードの利用明細に記載されているレートを用いる
現実には、海外出張の旅費や経費の精算では、以下の書類を添付することになります。。
現地の領収書
外貨両替の際の明細書
クレジットカード利用明細書のコピー
両替の際には、架空の商品である貨幣を交換します。
貨幣には、価値が備わっていませんから、経済上、評価をせざるを得ません。
為替差損益は、商品の交換のみによって産み出されるのではありません。
現金をオンライン上又は手元に置き続けることによって利潤を産み出すものではありません。
利潤は、労働が産み出します。
交換するまでが労働ということもできます。
円が他の通貨よりも安く評価されるということは、日本の労働の対価が安く評価されているということです。
従前よりも労働を強化しなければ、消費生活ができないということです。
日本国内においては、日本の労働の評価が引換券を使用する経済圏の労働の評価よりも低い場合、
海外出張に行く過程で労働者が、貸付けをフィクションされて、手元にとどまっている日本で両替を何割かして、残りを海外で両替をして、サービスすなわち労働を買い、
日本国内で両替した際のレートで精算すると、海外の労働力を安く購入した、労働の対価を低くしたことによる利潤を得たことになります。
それを労働者が消費した場合には、経済上は給与ということになります。