祭祀を主催していた者が亡くなった。何の価値のない石ころでも存在している以上は誰かしらが引き取らざるを得ません。

けど、せっかく田舎を捨てて出てきたのに、そんなものに生活上縛られたくない。親戚づきあいもしたくない。

それでは、法律上、祭祀財産はどのように取り扱われているのでしょう?

祭祀財産の法律上の取扱い

(相続開始の原因)

民法

第八百八十二条  相続は、死亡によって開始する。

相続税法

第十二条  次に掲げる財産の価額は、相続税の課税価格に算入しない。

一  皇室経済法 (昭和二十二年法律第四号)第七条 (皇位に伴う由緒ある物)の規定により皇位とともに皇嗣が受けた物

二  墓所、霊びよう及び祭具並びにこれらに準ずるもの

三  宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う者で政令で定めるものが相続又は遺贈により取得した財産で当該公益を目的とする事業の用に供することが確実なもの

四  条例の規定により地方公共団体が精神又は身体に障害のある者に関して実施する共済制度で政令で定めるものに基づいて支給される給付金を受ける権利

五  相続人の取得した第三条第一項第一号に掲げる保険金(前号に掲げるものを除く。以下この号において同じ。)については、イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、イ又はロに定める金額に相当する部分

イ 第三条第一項第一号の被相続人のすべての相続人が取得した同号に掲げる保険金の合計額が五百万円に当該被相続人の第十五条第二項に規定する相続人の数を乗じて算出した金額(ロにおいて「保険金の非課税限度額」という。)以下である場合 当該相続人の取得した保険金の金額

ロ イに規定する合計額が当該保険金の非課税限度額を超える場合 当該保険金の非課税限度額に当該合計額のうちに当該相続人の取得した保険金の合計額の占める割合を乗じて算出した金額

六  相続人の取得した第三条第一項第二号に掲げる給与(以下この号において「退職手当金等」という。)については、イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、イ又はロに定める金額に相当する部分

イ 第三条第一項第二号の被相続人のすべての相続人が取得した退職手当金等の合計額が五百万円に当該被相続人の第十五条第二項に規定する相続人の数を乗じて算出した金額(ロにおいて「退職手当金等の非課税限度額」という。)以下である場合 当該相続人の取得した退職手当金等の金額

ロ イに規定する合計額が当該退職手当金等の非課税限度額を超える場合 当該退職手当金等の非課税限度額に当該合計額のうちに当該相続人の取得した退職手当金等の合計額の占める割合を乗じて算出した金額

2  前項第三号に掲げる財産を取得した者がその財産を取得した日から二年を経過した日において、なお当該財産を当該公益を目的とする事業の用に供していない場合においては、当該財産の価額は、課税価格に算入する。

祭祀財産は、相続財産ではありません。

相続税は課税されません。

相続対策として税理士は、墓を買わせますが、買う方もバカだと俺は思います。

祭祀財産を承継したからといって、相続分が増減することはありません。

第八百九十六条  相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。

第八百九十七条  系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。

2  前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。

祭祀財産は、祭祀者が病気や勤続疲労で祭祀を執り行うことができないときのような特別と評価される場合を除いて、生前に承継を行うことができないので、相続財産ではないけれども、相続の対象ではあります。

家制度を経済上残滓させておくことで、国際金融資本は、労働の評価を否定して利潤を搾取し続けることができます。

しかし、法律によって家は実体あるものとして社会に認めさせていません。権利行使をすることは法律上できませんが、家が存在しないという事実をなかったことにしているのです。

檀家なるものは存在しないのです。

必ずしも、祭祀を承継する者は、相続人や親族でなければならないとされているわけではありません。

祭祀財産の承継は、必ずしも法律どおりに執行されず事実上は、複数の者に分けることもできますが、経済上トラブルが生じたので、現在でも実務では一人の者に承継されています。

祭祀承継者に指定されたら、どうなる?

独親が、国際金融資本から債務を捏造されて受け容れてしまっても、子供はそれを放棄することができます。

被相続人が死んだ又は死亡が通知された段階から、3ヵ月以内に家裁に申立てをして相続放棄をしても、その者を祭祀を承継する者に指定することができてしまいます。

祭祀承継者に指定された者は、その権利を放棄したり、辞退することはできません。

「オレは、家を継ぎたくない」、「女とセックスしてガキなんか作りたくない」という人は、跡取りを作ってすなわち労働力を再生産してロックやロスに利潤を貢ぎ続けなければならないのでしょうか?

そんなことはありません。

祭祀を執り行うことは義務付けられていません。

祭祀財産、祭祀を承継する権利を処分することができるのです。

一旦、祭祀財産、祭祀を承継する権利及びその所有権、使用権、管理権を被相続人から譲り受けて、そっくりそのまま即寺院に売却してしまえばいいのです。

神、霊魂、天罰、地獄なんて存在しません。墓や仏壇には何の価値も備わっていません。

ただの石ころ、木の箱です。

それを労働して作った者がいるから、売却すると、それによって得た現金が評価されるだけです。

あなたが経済上、自立しているのであれば、

頻繁に会うことのない親族となんか仲が悪くなっても、縁が切れてもいいではありませんか。