実定法上、領収書は、法人税法上7年、商法上10年、紙で保存していなければなりません。

原稿台と一体となったスキャナー(画像をPCに送る機械)を使用して、領収書、契約書をスキャン(デジタルデータ化すること)して、紙を捨てることができることをスキャナ保存と言います。

27年税制改正大綱により、電子帳簿保存法改定により、3万円以上の評価が記載されている領収書をスキャンして保存することができることとなりました。

28年税制改正大綱により、28年9月30日以降の申請承認の分(事実上は、29年1月1日)からデジカメ、スマホでの撮影によるスキャナ保存が可能となりました。

個人による電子署名は、異動や退職したときの手続が煩瑣であったことから、必要なくなりました。

スキャナ保存は、基本的に受け取ってから7日以内にしなければなりません。

業務サイクル(事実上は、1ヵ月と1週間)後にスキャナ保存をする場合において、帳簿も電子帳簿としておいて置く必要がなくなりました。

27年改定により、電子署名は、不要になりました。入力又は直接監督した者のユーザーID等の記録を要します。

スキャナ保存は、財団法人日本データ通信協会が認定するタイムスタンプが要件となります。それにより、スキャナ保存が行われたことを評価し、その段階で、その後改ざんが行われていないことが証明されます。

重要書類は、電子帳簿保存法第4条第3項に規定する国税関係書類の内、規則第3条第3項にいう一般書類(棚卸表、貸借対照表及び損益計算書などの計算、整理又は決算関係書類)を除くものをいい、例としては、契約書、領収書預り証、借用証書、預金通帳、小切手、約束手形、有価証券受渡計算書、社債申込書、定型的約款のない契約申込書、請求書、納品書、送り状、輸出証明書があります。

電子帳簿保存法では、保存する画像の要件として200dpi以上、赤・緑・青それぞれ256階調以上及び書類の大きさに関する情報を保存することを規定しており、その他は規定されていない。

細かな点は、規則において規定されている。

14 インチ以上のカラーディスプレイ、4ポイント文字の認識等(規則3⑤四)

検索機能が確保されていること(規則3⑤五、同3①五)

重要書類以外は、カラーではなく、グレースケールでのスキャナ保存ができることとなりました。

承認を受けることとした国税関係書類をスキャナで読み取った電磁気記録の保存に代える日の3月前の日までに申請書を1部(局管轄法人は2部)提出しなければなりません。

スマホ

平成28年度改正の内容は、平成28年9月30日以後に行う承認申請について適用される予定です。

2017年1月1日からスマホ画像による保存にするのであれば、9月30日までに税務署に提出していなければなりません。

また、過去にスキャナ保存制度の申請をしている場合も、平成28年度改正後の要件でスキャナ保存を希望する場合は、再度申請が必要となります

スマホ画像によるスキャナ保存ができる文書は、重要書類(3万円以上含む)に加え、検収書、入庫報告書、貨物受領書、見積書、注文書、契約の申込み書(定期的約款有)及びこれらの写し。

スマホは、A4で388万画像であることが要求されています(規則第3条第5項第2号(1))。

国際金融資本は、メーカー、販売店を使って、スマホを売らせなければ、労働者の人員を削減して労働を延長することができませんので、そのようなスマホを開発させています。

スマホの場合、I phone 6S以降だとタップして撮影すると手ブレが修正されますが、それ以前のものだと、画像が読み取りにくいと同じものを二枚撮影することがあり、二重に計上するということができてしまいます。

通達上、レシート等を受領してから、署名して、スキャンして、3日以内でタイムスタンプを付ければ認めることとにしています。

スマホを使用して保存する場合には、レシートを受け取った本人とは別に、チェックしてタイムスタンプを付ける人とスキャン後のデータを定期的に確認する人の複数の労働力を使用して相互にチェックさせなければなりません。スキャン後のデータを確認する人は、外部の者でも差し支えないとされています。

2017年1月1日以降、常時使用する従業員数が5人以下(製造業等であれば20人以下)の小規模事業者は、税務代理人となっている税理士がチェックすれば、レシートを受け取った者が、タイムスタンプを付けて税理士が定期的に確認すれば足りるとされています。

一人税理士がレシートを受け取ってタイムスタンプを付けて自分のチェックすることを妨げる規定が存在しませんので、自分のチェックをすることはできると解されます。

レシート、領収書等は、法人税法上7年、商法上10年保存が義務付けられているので、タイムスタンプに関する費用が7~10年分かかります。

会計ソフトの移行の手続も煩瑣です。

労働力をして、ソフを稼動させ、レシートをスキャンしてデータとして読み込むことをしても全てが読み込めるというものが開発はされているのですが、公表、販売されていません。

撮影と入力のどちらが手間がかからないかと言うと、6Sあたりだと、1枚ソフトに取り込むスピード評価すると、労働力が平均であれば、同じぐらいかもしれません。飽く迄錯覚の範囲ですが。