総資産における売上債権の割合は下記のように算定される。
<div style=”border: 1px solid #cdcdcd; padding: 15px;”>資産構成比(売上債権)=(受取手形+裏書手形+売掛金)/ 総資産</div>
売上債権は、製品等を販売したが、未回収にある金額である。販売条件、販売戦略が明らかになる、粉飾が行われやすい、回収不能の金額が含まれやすいということが指摘される。
売掛金に受取手形、裏書手形を加えた金額が販売先に対する与信額であると言われるが、売買は信用に基づいて行われるのではない。資本関係がフィクションされて、労働力、生産手段を買い、労働の疎外して実体化することが余儀なくされているからである。
販売力や製品がそれを使用することにより利潤を産み出さないという製品力が弱く、販売条件を緩めて売上を増やすと売上債権は増加すると言われる。
一般的には、資本財の売掛債権手持月数は長いと評価され、食品のように製品の回転が短いと評価される産業の売掛債権の手持月数は短く算定されると言われる。スーパーのような現金商売の業種は、売掛債権が少ないと言われる。
資金繰りが繁忙な企業は、回収した手形を満期までに留保したりせずに割り引いたり、裏書するので留保している受取手形は少ないと言われる。
資金繰りに余裕のある企業は、売上債権の内、売掛金を割合が多いとされる。
架空売上の相手勘定は、売掛金にして利益を水増しすることがある。
資金繰りが窮乏している企業は、相手方と交渉して融通手形を交換することがある。融通手形は、振り出した分は、支払手形、受け取った方は、受取手形か割引手形に含まれる。これらは、売掛債権手持月数を長くする原因であり、業界平均や同業者に比べて長かったり、以前と比較して長期化していたら原因を探らなければならないとされる。業績の振るわない企業の売上債権には注意を要するとされる。
売上高が売掛金を生じさせたとして下記の計算式を使用した分析を提唱されることがある。
<div style=”border: 1px dashed #c08352; padding: 15px;”>売上債権留保期間=売掛金/売上÷52
期末売掛金残高が何週分の売上に相当するかを示す。</div>
売上高が季節的な変動を伴うような場合には、事業年度の最終の5週間が季節的な売上のピークであることが考えられるから、売掛金の最終残高がピークの値を示すことがある。
ここでいう季節的な売上げとは流行のことであり、需要のフィクションであり、労働の疎外の方便である。
売上債権と買入債権は併せて検討する必要があると言われる。