総資本回転率は、下記算式により算定される。

<div style=”border: 1px dashed #fd5dac; padding: 15px;”>総 資 産 回 転 率=売 上 高 / 総 資 産</div>

総資本回転率は、総資本が効率的に使われているかが理解できると言われる。会社の総資本がどのような使われ方をしているか、無駄な資本の投入(無駄な資本)がないかをチェックすることは、無駄な贅肉、水膨れした資産をチェックすることであると言われる。りそな「企業診断サービス」がこの比率を用いていた。

売上高が同じであれば、資産の額が少ない方が回転率は上がる。総資産は同じで売上を増やしても回転率は上がる。1以下というのは、総資本に比べ売上高が少ないか、売上高に比べ総資本が多いかのどちらかであると言われる。

総資本の回転が1回転より少し上ぐらいであると、やや肥満と言われる。

生産設備を抱えることを余儀なくされる製造業や不動産を抱えることを余儀なくされる不動産業、ホテルを始めとする施設産業は回転率が低く、サービス業、販売業は固定設備を必要とされないから回転率は低いとされる。

最も回転率が高いのは商業で、最も低いのはサービス業であると言われる。

算出された数値と評価の関係は下記のようになるが、危ないというのは実体のない観念のレベルの話なので、必ずしもその後破産等に至ったというわけではない。

<div style=”border: 1px dashed #fd5dac; padding: 15px;”>倒産企業(全産業平均)0.9
危ない会社のボーダーライン(販売サービス業)1.5回
超危ない会社 1以下
危ない会社のボーダーライン(メーカー) 1回
</div>
サービス業で低いのは、労働の産み出す評価が低くされ、商品に転嫁される価値が小さいことが原因であると考えられる。

回転率が低い場合には、資産の評価が同じであった場合以上に、労働の評価を労働力に稼働させた架空商品と交渉しながら架空商品の評価下げて、労働を強化し、納期と需要をフィクションさせてきたということである。

製造業で総資本回転率が1回を遥かに超えていたら、売上の中で、他の経済実体から購入した商品を販売した部分が大きいと言われる。疎外された労働の評価が購入先に比べ大きく原材料、仕掛品に転嫁されていないからである。

国際金融資本は、劣後産業資本である労働力の代表者に労働を疎外したことを土台とする利潤を前貸しさせて、労働力がその返済を待たせ、資本関係をフィクションしてきた。

劣後産業資本は、商品を労働力に貸し出しをフィクションして労働によって産み出された評価をを疎外して商品に転嫁できたと錯覚させて売上を伸ばしてきた。

資産に水膨れがあれば、資金の循環にトラブルが生じると言われる。すなわち、資産そのものが利潤を産むのではなく、資産の交換によって利潤が産み出されるのでもなく、資産を労働力に貸付けて労働を疎外して商品に転嫁して現金商品と交換して価値を付与しなければ資金は循環しないということである。

不稼働の固定資産、受取配当が得られない投資有価証券、開発費等の繰延資産は、無駄な資産であると評価される。

不良債権と評価された資本や不動産投資の失敗すなわち含み益を実現することができなかったことにより回転率が低くなったとか、投資資産は投資先が上場すれば莫大なキャピタルゲインを産むが投資先が破産すれば資産の価値はゼロになり、株式を持っているだけでは利益は産まれずそれが資本回転率の低下につながっていると言われることがある。

しかし、不動産も債券も価値を備えていない。債権は架空資本である。不動産や債券は利潤の評価を産まない。労働の疎外を土台に利潤が産み出す。間接に、すなわち、投資先の資本を通じて労働力に貸付けをフィクションさせ、労働に評価が高くされたり削減されて、疎外された労働の評価が転嫁される商品の評価が上がったり下がったりしたということである。

資金の循環が鈍り、負債の減量に失敗すれば金利の負担が増えると言われる。各資産の回転率を調べてどの資産が水膨れしているかがチェックされたり、同業他社と比較して原因を分析するということが行われる。

売上の低下又は伸び悩みがないか、設備投資を始め総資本の増加がチェックされる。<a href=”http://ameblo.jp/nextcity/entry-11524515366.html” target=”_self”>総資産回転期間</a>が長い場合は、投資が過大であるとか、不良資産であるとか評価されることがある。売上債権の回収を早めたり、棚卸資産の手持ちを減らして借入金や支払手形を減らすということが行われる。固定資産の売却は固定資産が流動資産と評価される現金預金に変わるだけで、資本のボリュームは減らず、負債を返済しないと資本のボリュームは減少しない。

生産設備の一部を子会社に移し、子会社で生産したものを部品として受け入れ、組み立てた上で製品として販売することがあるが、この設備投資資金が子会社で賄えていれば、親会社の資産はそれだけ小さくて済むと言われる。

親法人に投融資している国際金融資本の純資産は、法定準備率制度により架空資本のフィクションが実体化されているからいかなる場合でも減少しない。

運転資本回転率(=売上高/運転資本)が高いと投資額に比して売上が高いと評価されるが、その場合、総資産回転率と比較して分析される。

総資本回転率が高い会社は、本業から生じる利益よりも、借入れをフィクションされ、資金調達先や銀行に実体のない観念たる与信枠に洗脳されているということである。

子会社の親会社への売上は、親会社では仕入である。グループ全体の売上では、この親子間の取引を相殺する方が棚卸資産を圧縮できるということになる。子会社のフィクションされた借入れは親会社の労働力が負担することが子会社の労働力が負担するよりも多い。

海外に製造販売の拠点を移した場合、現地に子会社を設立し、その現地子会社の労働力が直接フィイナンスをフィクションされて設備投資を行う場合と、直接投資をフィクションする場合とでは回転率が変わることがある。

総資本回転率の低下していることは、労働の評価が削減され、疎外された労働の評価の転嫁される商品の価格を下げるという競争が激しいと評価できる。

かつては、リース資産が回転率に反映されず、一方、売上は、リース資産を労働力に貸し出して生産したか自社資産を貸出したのかの区別は分析されなかった。

土地に関しては、不良債権と評価された資産や使徒不明金を既に取得した土地勘定に振り替える、又は新規取得の土地価額に含めるという処理が行われている。