[事実関係]

原告A社は、平成5年4月1日から平成6年3月31日までの事業年度にコンサルティング収入が得られることが決まっていた。

A社は、不良債権化させられていた子法人B社及びC社の貸付債権を処理することとし、本件子法人の発行した増資新株式を額面金額に比べて高額で引受けて、その後、当該株式をD社に低額で譲渡することによって有価証券売却損を計上して確定申告を行った。

また、各子法人は、その増資払込金をもって原告に対する債務を弁済した。

税務署長は、本件一連の行為の内、原告がB社及びC社の新株を引き受けたことについて、法人税法132条の規定を適用して、いずれもの新株の引受についても、額面価額で新株を引き受けたものであり、払込価額と額面価額との差額は、寄附金に該当するとして、有価証券売却損の算定に当たって、取得価額は額面金額であると認定して、有価証券売却損の過大計上額を算出し、また、寄附金に該当するとした部分のについての損金算入及び損金不算入の計算をして、更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分を行ったものである。

東京地裁は、下記のように判示した。

法人税法132条1項は、法人税の負担を不当に減少させる結果となることを要件としているが、原告は、本件子会社に対する貸付金について損金に算入することを目的として本件一連の行為を行っているところ、本件子会社に対する貸付金それ自体について(それ自体貸倒れに該当すること等によって)損金に算入することができたのであれば、これに応じて本来負担すべき法人税額も減少していたというべきであるから、本件一連の行為によって同一の結果を発生させたとしても、法人税の負担を不当に減少させる結果になるとは言えない。

そもそも損金に算入することができないものであったにも関わらず、本件一連の行為によって有価証券売却損を計上することによって、損金算入することとしたというのであれば、本件一連の行為が法人税法132条の要件に該当する場合には、同上に基づき行為又は計算を否認されることになるというべきである。

当時税理士であった原告代表者自身も、本件子会社に対する貸付金を回収不能として損金に算入することはできないと考えていたことは明らかであり、各子会社毎に検討すると、原告のB社に対する貸付金の全額が社会通念上回収不能に陥っていたものと認めることはできない。

子会社のB社及びC社は、債務超過状態にあり、将来、成長が確実に望めるというような特別な事情が認められるわけではない株式会社の新株発行に際して、額面金額である発行価額を大幅に超える払込を行うことは、通常の経済人を基準とすれば合理性はなく、不自然、不合理な経済行為である。

原告は、子会社を救済する必要性、妥当性を指摘してその行為の合理性を主張するが、株式を取得する際には、そのような背景事情を捨象した株式自体の価値に着目して対価を決定するのが、税法の想定する通常の経済人を基準とした合理性のある行為と考えるべきである。

上記のように判示して被告の認定が不合理であるということはできないとした。

(東京地裁平成12年11月30日)

東京高裁は、原審を引用した上で、

「債務超過状態であるC社の新株1万株の発行の発行に際して、額面金額である発行価額が1株500円であるところ、1株5万円で合計5億円の払込を行い、右株式を取得した行為、債務超過状態であるB社の新株160株の発行に際して、額面金額が1株5万円であるところ、1株約144万円で合計2億3,000万円の払込を行い、右株式を取得した行為は、控訴人会社が会社の全株式を保有する同族会社であり、且つ、一連の行為によって、本来であれば、損金に計上することのできない子会社に対する貸付金を有価証券売却損という形を取ることによって損金計上するという目的があったからこそ行われたものであるというべきである」とした。

(東京高判平成13年7月5日)

[解説]

東京地裁、東京高裁は、行為の目的、損金算入できないと考えていたかと交渉して法人税法132条の適否を論じているが、行為の目的、損金算入できないと考えていか否かは実体のない観念であるから、事実関係の確定の要件とはならないであろう。

架空資本たる有価証券を引き渡す前に、労働力商品を購入することなく、労働を疎外して利潤又は損失が確定され、有価証券に価値が付与され、現金商品と交換する前までに、分配される現金又は引き渡す現金商品又は貸付債権に価値属性が付与されることが確定していてたものである。現金商品又は貸付債権が価値を産み出しその利潤又は損失から現金が支払われたり支払うのではない。

A社は、貸付債権を引き渡す前に、B,C社が架空資本を引き渡す前に、A社は、A社の労働力の労働を疎外し利潤を確定し、労働力を購入することなく労働を疎外したことを土台とした利潤をB、C社に確定させB社、C社の架空資本を購入して支払った現金商品たる貸付債権に価値を付した。現金商品たる貸付債権や架空資本が価値を産み出してその利潤又はから現金が支払われたのではない。労働の疎外を土台に利潤が分配されることが貸付債権引渡し前から決まっていた。

デットエクイティスワップが行われて、貸付債権と新株式の差額が債権譲渡損失とする見解(大淵博義、法人税法解釈の検証と実践的展開134頁)は、労働の疎外という事実を疎外してしまっている。差額は、投資勘定又はA社の資本又は国際金融資本への労働の疎外を土台とした利潤の分配であろう。

国際金融資本は、資本関係を法人の労働者との間にフィクションし、代理人たる税務署長を使用して、再度労働を疎外し架空資本の評価をさせて国債を労働者に負担させる。

国際金融資本は、労働することなく紙切れを無制限にフィクションし価値を付与できることが実体化されているから、資本の評価が0でない限り、投融資を受け、労働の疎外を土台とした利潤を産み出させることができるから、貸倒にさせてもらえない。

国際金融資本によってフィクションされた労働者との資本関係によって、行わざるを得ない労働力の再生産から、国際金融資本に損失を与える払込を行うことはできないから、資本関係を源泉とした労働の疎外を土台とした利潤の留保を余儀なくされているのである。

国際金融資本は、司法を使用して、通常の経済人、自然、不自然という文言を使用してフィクションされた資本関係、労働の疎外を隠蔽しているのである。
[関係条文]

(法人税法22条)

内国法人の各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする。

2. 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、当該事業年度の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額とする。

3. 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は別段の定めがあるものを除き次の金額とする。

一 当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これに準ずる原価の額

ニ 前号に掲げるものの他、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度の終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額

三 当該年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの

4. 第二項に規定する当該年度の収益の額及び前項各号に掲げる額は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算されるものとする。

(法人税法132条)

税務署長は、次に掲げる法人につき、更正又は決定をする場合において、その法人の行為又は計算で、これを容認した場合には、法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、その行為又は計算に関わらず、税務署長の認めるところにより、その法人に係る法人税の課税標準若しくは欠損金額又は法人税の額を計算することができる。

一 内国法人である同族会社

二 イからハまでのいずれにも該当する内国法人

イ 三以上の支店、工場その他の事業所を有すること

ロ その事務所の二分の一以上に当たる事業所につき、その事務所の所長、主任その他のその事務所に係る事業の主宰者は、当該主宰者の親族その他の当該主宰者と政令で定める特殊関係のある個人(以下、この号において「所長等」という。)が前に当該事業所において個人として事業を営んでいた事実があること

ハ ロに規定する事実がある事務所の所長等の有するその内国法人の株式又は出資の数又は金額の合計額がその内国法人の発行済株式又は出資(その内国法人が有する自己の株式又は出資を除く。)の総数又は総額の三分の二以上に相当すること。

2 前項の場合において、内国法人が同項各号に掲げる法人に該当するかどうかの判定は、同項に規定する行為又は計算の事実があった時の現況によるものとする。

3 第1項の規定は、同項に規定する更正又は決定する場合に同項各号に掲げる法人の行為又は計算につき、所得税法157条第1項若しくは相続税法64条第1項、地価税法32条第1項の規定の適用があったときについて準用する。

(旧法人税法33条2項)

2. 内国法人の有する資産(預金、貯金、貸付金、売掛金その他の債権を除く。)につき、災害による著しい損傷その他の政令で定める事実が生じたことにより、当該資産の価額がその帳簿価額を下ることとなった場合において、その内国法人が当該資産の評価換えをして損金経理によりその帳簿価額を減額したときは、その減額した部分の金額のうち、その評価換えの直前の当該資産の帳簿価額とその評価換えをした日の属する事業年度終了の時における当該資産の価額との差額に達するまでの金額は、前項の規定にかかわらず、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。

(法基通9-6-2)

法人の有する金銭債権について、その債務者の資産状況、支払能力等からみてその全額が回収できないことが明らかになった場合には、その明らかになった事業年度において貸倒れとして損金経理をすることができる。

この場合において、当該金銭債権について担保物があるときは、その担保物を処分した後でなければ、貸倒れとして損金経理をすることはできないものとする。

(注)保証債務は、現実にこれを履行した後でなければ貸倒れの対象にすることはできないことに留意する。