中退共の掛金は、支払いの段階で、法人税法上、損金に算入でき、所得税法上、必要経費に算入できる。そのことから、税理士は、節税できるというメリットを挙げて中小企業者に加入を勧める。中退共の掛金を納付するのはどこか。

国際金融資本と資本関係のある金融機関である。掛金を支払った段階で、支払った金員の処分権は、国際金融資本に移る。

契約した経済実体から受け取った金員で、国債を購入し、金融機関に国債を買い取らせて、他の経済実体ー戦争、製薬、種子、資源といった疎外労働の量が大きく、貸付元本に付与される価値が大きい産業ーに投融資される。

中央銀行の存在から、紙切れをいくらでもフィクションできるから、積立不足はありえないが、積立不足がフィクションされる。

資本は、使用人兼務役員を中退共に加入させることはできる。

役員は労働者でありながら、加入できない。現実には使用人と同じ仕事をしているにもかかわらず、使用人の労働に付与される価値を疎外して役員に登記してしまえば、中退共の加入、退職金の支給を免れることができてしまうのである。

1年未満で退職した労働者は、退職金を受け取ることができず、2年未満で退職した労働者は、掛金拠出額を下回る退職金しか支給されない。

労働者を正社員にして、奴隷労働から抜け出すことを困難にさせ、プチブルと国際金融資本は、疎外労働を土台にした利潤に付与された価値を増大していくのである。