[事実関係]

東京高裁は、ホンダが部品販売取引と技術支援の役務提供取引をしている、2003年3月までの6年間のマナウス市にあるホンダの現地子会社の二輪車製造の利益の一部について、ブラジル側の比較対象法人は、税恩典利益を享受していないという点で、ホンダ子会社との比較可能性を有するものではないから、処分行政庁が上記差異につき、何等の調整を行わずにブラジル側の基本的利益を算定をした上、本件独立企業間価格を算定したことに誤りがあるとして、ホンダ、75億円の更正処分を取り消した一審判決(東京地判平成26年8月28日)を維持した(東京高判平成27年5月13日)。

[解説]

日本にある親会社の資本が部品と労役を、オフショアであるブラジルにある子会社に、グループ外の経済実体に販売するよりも安く売ったということは、労働力商品が安く購入され、疎外された労働に付された単価が低く、親会社の資本は、国債の負担が軽減されたということである。

ブラジルの子会社が、グループ外の経済実体から購入するよりも安く商品を購入して利潤を得たということは、親会社と子会社の労働力商品を安く購入して、子会社側の納期を短縮させて労働量を増やしながらも、子会社における労働に付される単価を高くして疎外して、疎外された労働に付された価値を利潤に転嫁して販売し、国債の負担を子会社の資本も免れたということである。

司法は、この事実関係を疎外することを、国際金融資本と中央銀行を含む民間金融機関との資本関係から、国際金融資本に余儀なくされている。

当該親法人、子法人における、労働疎外済の仕入商品に付された価値、納期、労働量、現実の労働過程、材料、商品への価値の転嫁、国債負担額に付された価値の、商品、労働力商品への転嫁の過程、日本、ブラジルにおける販売の実体、引換えに受け取った紙切れの価値、疎外された労働に付された価値の再疎外という過程から利潤、売上に価値を付与しなければならず、労働の疎外の過程を看て取れない財務諸表上の営業利益率という現象面からの更正したにすぎない。

オフショアにある同業他社との財務諸表上の営業利益率と比較したり、他の地域の法人と比較して差異調整をしたのみでは、ブラジルにおいて労働力商品が安く購入され、疎外労働に付された価値の量が大きいままで、国際金融資本ロスチャイルドの利潤の留保の蓄積に貢献することになる。

課税側は、税制優遇措置を受けられる地域以外の法人を比準法人とした場合には、差異調整を不要としていたが、税制優遇上の利益調整を行った上で本件更正等の一部を取り消すとしていた。理由の差し替えは、グループ内外の資本関係上、経済関係上、生産関係上の事実関係を全体化せずに、事実関係の確定を行って、国債の返済を負担させたということになってしまう。