Art Neville(Arthur Lannon Neville)は、1937年12月17日ルイジアナ州ニューオリンズ生まれ。1953年HawkettsのメンバーとしてMardi Gras Mamboでデビュー。ゆったりとした50年代のR&Bである。Hawketsのメンバーとしての録音は、Mardi Gras Mamboは、Treacherous 1955-1985で、 You’re Time’s Upは、「Treacherous Too Volume2 1955-1987」で聴くことができる。

1956年から1959年までスペシャルティに在籍。1956-1958年のスペシャル録音は、Let’s New Orleans rock(PCD-1916)、Mardi Grass Rock’n Roll(Ace CDCHD 188)、His Specialty Recordings 1956-1958(SPCD 7023-2)で聴くことができる。1957年Whiffenproof Songは、3コードを基本にしたスローなR&B、Oooh Whee Babyは、3連ニューオリンズジャンプブルース。1958年のCha Docky Dooは、ノベルティナンバー。Zing Zingは、Esqueritaに通ずるようなニューオリンズR&R。1959年のArabian Love Callは、ホーンのリズム、ヴォーカルスタイルから,R&BからSoulへの過渡期の曲であると言える。What’s Goin’ onは、マイナーコードを基本にした、Go-GoでヘヴィローテーションされそうなニューオリンズR&R。

1961年から1963年にはInstantに、1965年はCinderella、1966年にはInstant,1968年にはSansuに録音する。Art & Aaron Neville 「Best Of」(Bandy 70013)もある。未発表曲を含む、Minit/Instant期の録音は、Aaron&Art Neville「Brother to Brother」(Fuel 2000 302 061 323-2)で聴くことができる。

Aaron Nevilleは、1941年1月24日ルイジアナ州ニューオリンズ生まれ。1960年、Imperialレーベルから、Over You(R&B 21位)でデビュー。1967年には、LP「Like It ‘Tis」(Minit LP 24007)もリリースされる。1960年-1962年のMinit録音は、「Minit Singles Collection 60~63 Vol.2 It’s Rainnin’」「Like It Is」(VSCD 519)で聴くことができる。1966年には、1966年にTell It Like IT Isがヒットし、Tell It Like It Is(PCD-1944)というLPがある。ヨーデル唱法を駆使し、ゴールデンヴォイスとも形容されている。1966年には、Parlo、1967年には、Safari、1968年-1969年にはBellに録音する。

1960年代半ばにArt Neville & The Soundsを結成し、Art Neville,レオノセンテリ、ジョージポーターJr.、Aaron Neville、Charles Nevilleが参加していたが、Aaron NevilleとCharles Nevilleが脱退し、ドラムのジョーモデリストが加入し、Metersと改名。Sansuレーベルのスタジオミュージシャンとなり、Lee Doseyのバッキングも行っている。

David Ritz「Brithers」によると、1960年代後半は、シンコペーションが洗練されていたスライストーン(ex.Dance to the Music,Everyday People)、同様のアプローチをしていたノーマンホイットフィールド(Run Away Child,Running Wild)、JBのMather Popcorn,Ain’t It Funky Now、Larry Graham,Bootsy Collinsみたいなベースの達人が今までに無かったような音を作り出していたことをアートネヴィルは把握していた。アートネヴィルは、弾けるベース、ギターのフローとドラムのビートの余白にオルガンを打ち込んでいく方法を採り、タイトで間があるサウンドを作り上げたという。 (続く)