社会で生活していれば労働においては、法人の忘年会、新年会、プライベートでは友人同士で飲み食いすることもあるであろう。

飲食店で提供される食べ物には、原材料代すなわち納入法人の資本の取り分と飲食店の資本、チェーン店であればホールディングスの資本の取り分しか含まれておらず、労働者の労働の提供分は含まれていない。人にはそれぞれ食べてたい部分が違うし、食べ物の好き嫌いがある。他の参加者に取り分けて盛られたのであればそれを好き嫌いに関係なく食べざるを得ない。

セルフサービスで取るとしても社会関係上他のメンバーの取り分を残しておかずに好きな物を独占することはできないからセルフサービスにさせておけばよいのだ。飲み会に参加したメンバーがそれぞれ食べるものをセルフサービスで皿に盛ればよいのである。

女に取り分けさせることは女に「疎外労働」をさせることである。女には細やかな気配りという価値属性は予め備わっていない。

細やかな気配りは、経済関係、社会関係を土台に形成されるものである。女性らしさは実体のない観念である。資本、資本と生産関係にある男は女に疎外労働をさせて女性らしい細やかさという後付の方便を付け加えてきたのだ。

女は男と同じ労働をしても男の6割しか給料を与えられられず、男に抱かれなければ生活できないから、率先して取り分けをしているように装う。

女に食べ物の取り分けをさせる男、女に取り分けてもらうことを有難がる男の存在により、無償で取り分けをさせられる女も取り分けを有難がる男を除く取り分けられる方も嫌な思いをするのである。