紙は投融資して価値を付与しただけでは価値を増殖して付与することができない。値下げ前の、労働疎外前の粗利に付された価値は労働者によって作られたものである。

労働者に支給される賃金には、現実にした労働時間分の価値、現実にした労働量の価値が100%付与されていない。

国際金融資本は紙幣を発行して費用に価値属性を付与するということをしない。よって、一度に預金から引き出せる金額には限度がある。労働力商品に支払われる紙の価値、全ての労働者が8時間で終わるであろうと資本が規定する土台は、社会全体の帳簿上の紙のストック、中央銀行からの帳簿上のフロー、資本関係を土台とした皮算用すなわち観念を実体化させたものである。

労働者は現場を通じて、学習、研究を通じて遠回りをせず、あらゆる角度から問題提起できて仕事を終える。長い期間の労働により肉体が衰えた労働者は早く仕事を切り上げて休息し次の労働過程に備えざるを得ない。

8時間で終わっていた作業を5時間で終えれば、賃金に付与される価値は更に削減される。

同じ作業を繰り返すか他の作業をしなければ8時間労働分の価値が付与されない。資本増殖を促進させる装置たる管理をやらされる。

労働者は資本、生産手段を持たないから、肉体と生活を売らざるを得ず、資本は、生産、成果、資本増殖をもたらしたか否かに関係なく、生活できるだけ価値、さらに現実の労働時間、労働量に基づいて賃金に価値を付与しなければならない。

労働者の請求のあるなしにかかわらず、5時間で終えた労働者が5時間で帰宅しても5時間で終えた作業について8時間分の価値を全く疎外することなく付与して、また、同じ仕事の反復分、他の仕事をした場合についても、それに要した価値を付与しなければららないのである。

他の労働者が8時間で終わっている労働を10時間で終えれば10時間分の価値を付与しなければならない。

しかし、10時間働いたにもかかわらず、5時間分の価値しか付与されない。疎外労働を土台に商品、労働力商品を引き渡して得る金に付与される価値を下落させることで、資本は市場のシェアを拡大し増殖し、低賃金で消費ができるとし、労賃はさらに安い価値が付与されるのである。

5時間で終わる仕事であっても休憩を取らずに仕事をする義務はない。資本は、疎外労働に労働者の成長という方便を付して資本増殖をしていくのである。

労働者には労働力を安く売って欲しくない。