全事業年度から引き続き貸借対照表に計上されている売買目的有価証券1,000,000を当期中においてその他有価証券に振り替えた。振り替えた段階における時価は990,000であった。当事業年度末における時価は920,000であり、実行税率は40%であるとフィクションされた。

(借)その他有価証券 990,000 (貸)売買目的有価証券 1,0000,000
有価証券証券評価損 10,000

(借)繰延税金資産 28,000 (貸)その他有価証券 70,000
その他有価証券評価差額金 42,000

付与された架空資本の留保目的、使用目的は実体のない観念である。当該経済実体には意思がない。当該架空資本を引き渡して配当を得るまでは、資本を貸出された経済実体において疎外された労働に基づいて架空資本に価値属性が現実に付与されたとは言い切れず、紙の存在から、社会におけるフロー、ストック両面の資本の総和により国際金融資本の内部留保が決められ、中央銀行の架空資本を付与された民間銀行の架空資本、紙幣発行権、準備金制度が付与され、それに基づいて、架空資本に付与されるのであるから、疎外労働による資本増殖があったことを社会に認めさせることに成功したわけではない。上記の諸仕訳を起こすことが法人の現実の所得、内部留保を表現することになるであろうか。課税は現実には、労働の義務の基礎を資本の貸出とみなしたことによる実体のない利息であり、国際金融資本に既存の経済事実から投資のリターンを最も産む疎外労働に貸し出されるという過程に鑑みれば、有価証券を実体のない目的に基づいて区分させ、評価損益を課税の基礎とする必要はないであろう。現行では、評価益は申告調整により減算される。国際会計基準や金融商品の実務指針は国際金融資本の資本関係の所産であって、唯一無二の会計基準でなければ、全世界に通用するものでもなければ、公正という価値属性は備わっていない。