資本は、退職届けを受理せず、懲戒解雇とする。労働者は、懲戒解雇された旨を履歴書に書いて就職活動をせざるを得ない。
労働者は資本、生産手段を所有せず、資本を借入れて法人登記するか、生活過程と肉体を売らざるを得ないから、退職届けを受理しなかったことによる懲戒解雇を就職活動中の面接の場で知らしめる措置を採る権利を資本は有しておらず、就労を妨げるという目的という実体のない観念ではなく、労働者の就業を現実に妨げている。
退職届の不受理により懲戒解雇の文言の記入を労働者に余儀なくさせることは、労働基準法22条4項に例示されている国籍、信条、社会的身分若しくは労働組合運動に関する通信、秘密の記号と共に通信、記入が禁止されていると解される。
退職は許認可制ではなく、退職届を提出すれば、それを受理したか否かに関わりがなく、退職したことが実体あるものと社会に認めさせたものと解される。