<p> 金融資本は、金の預り、すなわち産業資本による金の引渡しと引き換えに預り証たる紙幣の発行を通じて、預り証の前渡しにより、金の蓄積債務を紙幣の前渡しを受けた経済実体に課した。貴族資本に投融資を行い、金の蓄積債務を課し、担保名目で資本を取り上げ、商品、労働力商品と金、金と紙幣の交換が行なわれるシステムと中央銀行による紙幣発行権を貴族資本との資本関係を土台に社会に認めさせた。
金融資本は、金を投下して証書を受取り、金を貸し付けて証書を受け取った。証書は商品となった。金融資本は経済過程が行うことができなくなる前に生殖をして労働力を再生産をし、投融資して金融資本内に経済実体を設け、金融資本を存続させた。土地所有貴族との資本関係により、利息や配当や租税を得ることを社会に認めさせた。</p>
<p> 金融資本は、架空資本による中央銀行の設立を認めさせ、金、紙幣を引渡して証券を得るシステムを社会に認めさせたことから、投融資の額を増大し、投融資を受けた経済実体の資本を増殖させ、他の経済実体に買収させなくしなければならなくなった。
金融資本は、資本関係を土台に産業資本に投融資を行わせ、国庫を設立し、金融資本に投融資を受けている産業資本は、大量の資本、生産手段を購入し、長期間、商品、労働力商品を生産し、引渡し、金を得て金融資本に献上しなければならなくなり、国庫も長期にわたり、大量の商品、労働力商品、資本、生産手段を購入し、疎外労働をさせて金を産業資本を通じて金融資本に献上しなければならなくなった。金融資本の一部は国際金融資本となった。
国際金融資本は産業資本に延命させ亡くなる前に生殖による労働力を再生産させ、未返済の債務を子息に返済させ、家族という経済実体を誕生させた。資本、生産手段を持たない経済実体は、資本、生産手段を借りて生活過程、労働力を売って金を得て返済しなければならず、亡くなる前に労働力を再生産して未返済の分を返済させなければならなくなった。
労働者は賃金を持たず、生産関係からみれば、賃金が支払えなければ産業資本は清算しなければならないのであるが、産業資本は国際金融資本との資本関係により清算することができなくなった。 証券取引のシステム、中央銀行の所有システムから、所有産業資本が長期間をかけてコストをかけることにより資本が蓄積できなくなると金融資本は中央銀行を乗っ取られて投融資を受けて産業をしなければならなくなる。
金融資本は、既往の実績から生産に長期間かかり、コストがかかる石油、原子力、戦争、医療に投融資を行った。
金融資本は生活過程に時間という価値属性を付与した。金融資本によって納期が短縮され、生活過程の内、労働過程の割合が大きくなる。
産業資本は、金融資本との生産関係から資本、生産手段の購入を増やし、一生産過程の短縮による労働の提供によって得た金へ低い価値属性を付与し、分業により、労働者の数を増やし、生産過程を短くし、生産過程の回転数を増やすこととなる。
持株法人の設立、法人の分割、派遣法人の出資設立される。労働者は法定労働時間内の疎外労働に加え、無償の時間外労働をさせられる。労働時間規制適用免除制度が創設される。管理職も使用人であるにもかかわらず、残業代が支払われず、管理職以外の労働者も労働者の同意があれば無償の時間外労働をさせることが金融資本に認められるというのだ。
派遣法人資本が労働者の同意を得れば無償の時間外労働は派遣社員にも適用されるという。同意は実体のない観念である。
国際金融資本の中央銀行の所有関係に基づいて、法、契約書面を作り制限なく無償労働させることができてしまうのである。
複数の労働者により複数日かけていた仕事が1日で一人の労働者でこなすことを成功させてしまえば、労働を引換えにして得る金、紙幣に低い価値属性が付与され、賃金が搾られる。労働待機の経済実体が増えれば、資本を持たない労働待機経済実体は低賃金長時間の疎外労働に応じざるを得なくなる。金融資本は、時間外の無償労働については変形労働時間制やフレックスタイム制や時季変更権の逃げ口上を用意する。
金融資本は、フレックスや休暇の変更、時間外の労働は、労働者の自由意思による自己責任ということにしてしまう。
金融資本は、分業制による疎外労働の増加にについてはワークシェアリング、変形労働時間制については、ワークライフバランスの方便を用意する。金融資本は、労働者には賃金請求権があるとする。投融資を受けた学者や実務家やメディアや国庫の使用人にそれを宣伝させる。金融資本は、労働者に介護、金融資本の所有物たる子息を養育させ、フレックスタイム制から現実には除外して資本が規定した女を閉じ込め家庭において疎外労働をさせ労働力の維持、再生産をさせることを忘れない。
労働時間が延長してどこに空き時間があるというのだ。金融資本との資本関係、生産関係の存在から、労働者は金融資本の使用人たる資本に時間外労働を断れないし、残業の賃金を請求できない。
時間外の無償労働は労働者の同意を要件にするが労働者に自由意思などない。学者も実務家もメディアも行政機関も僧侶である。賃金の支払いは労働者からの請求がなくても支払わなければならない金融資本の生産関係上の義務である。</p>