旧和議法の下では、和議の認否については、和議認可決定の確定のときとなるが、決定に対する不服の申立てがなければ、和議認可決定のときとすることも差異はないので、貸倒の計上時期としては和議決定のときとすることも認められるとする見解があった(税務研究会貸倒損失の税務p110)。民事再生法の下においても、民事再生手続の申請があった場合の貸倒損失について、民事再生手続の認可決定があった段階か認可決定が確定した段階かが問題となる。この点については、民事再生法認可決定に不服がないこと、民事再生法認可決定が実体あること、確定したことを社会に認めさせることに成功していないから、貸倒損失の計上の段階は、民事再生法上の認可決定が確定した段階、すなわち民事再生手続終結決定、民事再生手続廃止決定があった段階ということになるものと思われる。