[事実関係]
土地と建物を一括購入した場合、各別の取得価額は全体の取得価額を各別の固定資産税評価額の比により按分した金額によることが合理的であるとされた事例がある(東京地判昭和47年12月14日)。
[解説]
土地建物には価値属性は備わっていない。土地、建物を生産手段にして経済実体の労働者に貸与することで、労働を疎外し、疎外した労働を土地、建物に転嫁することで実体あるものと社会に認めさせている。
前所有者が行うことを余儀なくされた既存の労働疎外、資本転嫁の過程が疎外され、国際金融資本が中央銀行の所有に基づいた実体関係に基づいて規定した価格を実体あるものとしている再取得価額、減価償却の計算を基にした固定資産評価額に基づいて按分することは、社会に認めさせることには成功するが、現実の経済関係に基づいたものとは言えないであろう。