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Esther Phillipsは、1935年12月23日テキサス州生まれで、本名は、Esther mae Jonesであり、芸名は、煙草のphilipsから付けられた。

13歳の頃からJohnny otis楽団で、Little Ester名義で歌い始め、Little Estherの頃の作品は、Better Beware(Charly CD 248)、Bad Baad girl(CRB 1100)で聴くことができる。この頃は技巧も使うが、パワフルな歌唱を持ち味としていた。

1960年代に入りAtlanticレーベルでは、ブルージーな作品を集めた「Confessin’ the blues」(Atlantic 90670-2)を残している。

アトランティックでは、カヴァー作品を集めたアルバムもある。

and I love himはご存知のようにビートルズand I love herのカヴァーで、原曲とは別物の、比較できない位の深みのある艶のあるヴォーカル作品となっていて、このことはオリジナルアーチストの一人であるポールマッカートニー自身も認めている。歌に対する考え方が一変するカヴァー作品となっている。

Ester philipsは同曲で、声を転がしながら、また崩しながら歌ったり、ヴィヴラートを見せたりして、抜群の声の転がし方や崩し方、特に、ヴィヴラートは、これほどまでに素晴らしいヴィヴラートを見せるシンガーを当方の知る限り見たことがない。

現代のシンガーではこの流れを汲んでいるのがMary J Bligeであると思っている。

フルートやストリングス、ホーンセクションを中心としたアレンジも歌唱を引き立てている。and I love herはBobby Womackもカヴァーしている。

作品秋の夜長に聞きたいカヴァー曲である。

1970年代にはKudoに移籍して活動を続けていたが、1984年ドラッグ中毒が基で48歳の若さでなくなっている。