結婚していない男女間に生まれた子の遺産相続分を法律上の婚姻関係のある男女から生まれた子の遺産相続分の半分とする民法の規定が憲法14条1項に違反するとの最高裁大法定判決があった。生まれた子供が婚外子となるのは、偶々ではない。

親に資本がなかったことにより、結婚により得る、子供を担保に資本から投融資を受けて、子供に債務を返済させる利益を得るという権利を取得できなかったからである。

法律婚による子供と婚外子に相続上の差異を設けることにより、資本により女と規定された者は、資本関係から課された生殖による労働力再生産義務により、賃労働市場から追い出され、社会上の労働に復帰できなくし、法律によって労働力再生産労働を認めさせることでしか資本から課された生存して資本を増殖させるという義務を履行し得なくさせられてきたのである。

資本は、法律上両親が揃っていなければ子供は経済的に不利益とすることで、女性を家庭に閉じ込め、資本の増殖を促進したのである。

現実には法律上両親が揃っていても、国際金融資本と男親、男親と女親の間、男親と子供との間には資本関係、生産関係が存在し、家庭は生産集団である。資本と労働力商品すなわち女、子供は敵であるから、そこから愛というイデオロギーは形成されない。

両親が法律上揃っていなければ精神的にも子供は不幸であるとして実体のない観念に基づき、資本は奴隷の道徳を吹き込んできたのである。

労働者は資本や生産手段を持たないことを鑑みれば、女を家庭に閉じ込めず、婚外子であることの女と子供の経済上の不利益を除去することで、資本が金銭の投融資や生産手段の貸与を行って労働者に疎外された労働に応じさせて生殖による再生産を余儀なくさせることや戦争産業への投融資をすることをやめさせることの第一歩としなければならないのである。