事業部毎に子法人を設立している法人で、本社において取締役兼総務部長をしていて、子法人の役員を兼ねている者が、勤務過程を月単位で見ると、月の半分を本社に出勤し、残り半分を子法人に使用している場合、親法人において使用人兼務役員となり得るかという問題がある。生産関係上の過程において、労働から離れている過程がある場合には、税務上、使用人兼務役員とはなり得ないとの見解も存在し得るが、資本家との生産関係により子法人に出勤し、役員に意思はない。非常勤の使用人は、法人には意思がないから、法人の勤務命令は成立せず、法人の資本家との生産関係により、法人税でいう使用人兼務役員になるか否かが規定されることになる。親法人に出勤している間の親法人の経済過程において労働を提供する毎に、労働を疎外され、資本に疎外分が転嫁され、搾取の土台を再生産することを与儀なくされている場合、使用人ということになるものと思われる。