[事実関係]

原告の祖父は、ニュージャージー州法に準拠して、原告祖父を信託者、信託銀行を受託者、原告を受益者に信託銀行との間に信託契約を結び、原告の祖父がスイスの口座に所有していた米国債500万ドルを寄託した。

受託者は、別の保険法人との間に、原告の父を被保険者、信託銀行を契約者、受取人と規定して、保険金6,083万ドルの生命保険契約を締結し、保険料を合計440万ドル支払った。原告の祖父が寄託した米国債500万ドルの内、一時払保険料とされなかった60万ドルは、信託が解約不能の信託であり、生命保険の管理費、信託報酬に充てられ、又、受託者は、原告の父が死亡して保険を受領したとしても、原告に支払う義務は契約上なく、原告の父は限定的指名権が付与され、原告以外の者を受益者とすることができると契約上されていた。

原告は出生後信託設定まで、米国に183日間滞在し、日本滞在は72日であったと原告側は主張した。改定前の相続税法4条1項においては、信託を行った場合、委託者以外の者が受益者であるときは、信託設定時に、受益者が受益権を、委託者から贈与により取得したものとみなす旨が規定されており、信託設定時に信託の全部の利益を享受できるものではないと主張した。

名古屋地裁は、原告は、信託設定時に利益を現に有する立場ではなく、平成19年法律第6号による改正前の相続税法4条1項にいう受益者には当たらないとした。

名古屋高裁は、原告の父が勤務していたとする米国子法人は現実には休眠法人で、原告は日米間の移動を繰り返す生活をし、原告の父の所得は、日本国内を源泉とするものであり、国内居住者間の信託契約であるとした(平成23年(行コ)36号)。

[解説]

国際金融資本家は、オフショアを所有しているから、スイスの金融機関に預けられ、送られた現金、架空資本の留保を把握する。海外法人への投資制限はあるが、中央銀行を所有する金融機関に投融資を行うことができるという既存の経済関係がある。

この経済関係が土台にあるから、ロックフェラーをはじめ国際金融資本家は、シャウプを使用して、税法規定を創設し、法人税法上又は所得税法上の法人の現金留保を収奪し、国際金融資本家のオフショア法人に現金を留保する。所有するメディアを通じて、富裕層に課税して戦争を繰り返させないとか、富の再分配であるとか民主的税制といった方便を垂れ流し、人民の賛成を得るのである。

国際金融資本家はオフショア使用権の貸出という資本関係を源泉に、信託契約名目で架空資本を担保に取る。昭和天皇は、オフショア使用権の貸与を受けて投融資により留保した現金をスイスの金融機関に預託したことにより、原爆投下を受け容れを契約し、ロックフェラーをはじめ国際金融資本家は原爆開発に投融資したことによる利子配当収入を得た。

信託はその設定があったことにより、現実には受託者の所有となる。日本の資本家は、投融資のフィクションを受け、架空資本を購入して労働を疎外し現金留保を蓄積し、信託することを余儀なくされことにより、留保した現金を徴収され、他の労働者に貸付けがフィクションされ、且つ課税により更に現金を収奪されるのである。

資本関係、生産関係から労働は疎外されるから、日本の資本家の現金留保は、労働により得たものではない。

日本の資本家が留保してきた現金は、配当名目で、労働者の労働を疎外したことによるものである。富裕層対国税ではない。

労働者階級対国際金融資本家の問題なのである。

当該事例の場合、法律上は、贈与者が日本国籍、日本国内居住者、受贈者は、米国籍、米国居住者であり、贈与資産は国外財産である。

国際金融資本家が資本関係、現金留保義務に基づいて規定した日本の税法は、家族を一生産集団とみなし、現実に、資本家、労働者に生殖による労働力商品再生産、投融資を受けることを義務づけ、男性という属性を付与し、扶養義務を負わせることで、金融資本家は、女性という属性を与え、労働力商品に労働力再生産、投融資先再生産の土台となる金額という価値属性を低く付与して生産関係上の義務を免れている。金融資本家との資本関係から課せられた現金留保義務により、男という属性を付与された経済実体は、女という属性を付与された経済実体、子供という属性を付与された経済実体を閉じ込めることを余儀なくさせられる。原告の住所は、日本国内にあると事実確定された。

しかし、当該事例においても、扶養控除の申告は、法律行為によって社会に認めるという過程であるから、経済実体と法律上の経済実体が異なっているのではない。