[事実関係]
石油販売法人である原告は、プリペイドカードの発行に際して収受する対価につき、発行時に収益として計上することなく預かり金として処理し、そのカードの所持者が現実に商品と引換えをした時点で収益を計上する方式により法人税確定申告を行った。
税務署長は、当該方式は、法人税法22条4項にいう公正妥当と認められる会計処理の基準に反するとして、プリペイドカードの未使用部分に係る発行対価をその発行した日の属する事業年度の収益に算入するという会計処理方法によって更正処分を行った。
裁判所は、プリペイドカードの発行代金を一種の預かり金として処理する会計慣行が古くから存したとした上で、簿記の方式としては社会的に一応認知されてきた方法であり、かつ、一定期間継続的に行われてきたことは否定できないと認定する。
裁判所は、商品引換券、ことにプリペイドカードが発行された場合、残額が僅少であるとか、当初から収集目的で購入した等の理由から、顧客が引換えをすることなく死蔵したり、あるいはカード自体を紛失したり、失念したために長期間引換えがなされないまま、発行者において事実上給付義務を免れることとなる部分が一定の確率で必ず発生すると考えられるのであって、このような引換未了部分に係る発行代金相当額は永久に預かり金として処理され続けることとなり、発行者が事実上、確定的な利益を享受するにもかかわらず、税務当局は当該発行部分に対する課税をなし得なくなるという税務上重大な弊害を生ぜじめることが明らかであるとして、本件更正処分は適法であるとした(名古屋地判平成13年7月16日)。
[解説]
金融資本家の現金留保義務により、課税による現金の流出をしない法人に、現金を留保させて金融資本、全資本家に投融資をさせない義務、既存の過程、大法人の架空資本を買収、所有する義務、既存の過程を基に法人税法22条4項の解釈適用が現実には行わさせられてきた。
契約上、商品引換期間という時間という属性に基づいた制約が規定されていれば、経済関係を土台に引換終了を規定する権利を取得していれば、引換期間終了とともに現金の返還不要が確定し、現金の価値属性付与により、プリペイドカードの価値属性が実体化されて現金留保が確定するとするのが経済過程を捉えた把握の仕方となるが、当該法人が現金を留保したまま、納税をして現金を手離さなかったことから、税務行政機関を使用して、適正という属性付与や租税の公平負担という大義をふりかざして金融資本家は、課税を行っているのである。
司法は、本件においても、実体のない収集目的や実体のない確率といったことを持ち出して課税側に正当であるという属性を付与している。金融資本による、全資本家からなる機関との生産関係を通じた、金融資本経済維持を補完することとなる生産関係上の経費であるにもかかわらず、労働者に負担が転嫁されている現実の課税関係からみれば、公正妥当という観念ではなく、現金の投融資から、労働の疎外による搾取利得すなわち現金の留保の過程が決算書上に計上されて資本家が負担する納税義務が計上されていなければならないことになる。