法人が当該資産を取得してから事業に使用しなくなった日までの各事業年度において、当該資産の取得価額が損金に算入された金額の合計額は、圧縮記帳による損金算入を行った場合も、特別償却を採用した場合も、普通償却を行った場合も同じである。当該資産の取得価額がマックスである。

圧縮記帳は、特別償却と同じく、それにより一時に現金留保を蓄積して、他に投融資することによって、当該法人の資本家は、利息配当の原資を所有することができるのである。圧縮記帳の制度は、金融資本家と全資本家との資本関係、全資本家との生産関係を土台に金融資本家が取得した収用、換地処分を行う権利に基づき、経済関係を疎外されて資産を手離すことを余儀なくされたことによる補償金、賠償金についてだけではない。

金融資本家は、新エネルギー、産業技術総合機構の補助金、大気汚染規則区域内から区域外へのばい煙施設の設置、移転に伴う買換えの場合にも圧縮記帳の適用がある。国際金融資本家に所有された石油を使用したエネルギーの開発又は石油の使用に代えて原子力も開発を行った法人が圧縮記帳が認められてしまうことがある。

適格分割、適格現物出資又は適格現物分配により、国庫補助金等をもって取得又は改良した固定資産を分割承継法人に移転する場合適格分割等の直前までに、国庫補助金の交付を受け、対象資産の取得又は改良を行い、返還不要が確定していれば、分割法人に圧縮記帳を行えること(法人税法42条5項)を認めさせているのである。

国庫補助金ではなく固定資産の交付を受けてその固定資産を分割承継法人に移転する場合に、その適格分割等の日の存在する事業年度開始の時からその適格分割等の直前までの期間何に取得したものに限り、交付を受けた固定資産の価額の範囲内で直接減額する方法により圧縮記帳をすることを認めさせた(法人税法42条6項)。

金融資本家が所有する法人について産業を切り離して他に譲渡し、産業法人を設立し、産業を譲渡した法人を持株法人にする場合にも分割法人において圧縮記帳が行えてしまうのである。現物出資の場合には、資産は譲渡法人とは別の実体として社会に認めさせている法人に引き渡され、所有は移るが、資産の交付先には架空資本へ投融資が行われており、資産の取得代は資産を交付した法人の現金投下を源泉とする労働疎外による現金留保が源泉である。資産を交付した法人の資本家は、取得した現金に価値属性を込めて、実体のない配当率の属性を実体あるものにしている。

所得税の配当課税を免れ、法人の譲渡損益は帳簿価額による譲渡とされ、圧縮記帳による現金留保まで認められてしまうのである。法人が資産を譲渡して、譲渡を行った事業年度において適格分割、適格分割出資又は適格現物分配により、その事業年度開始の時からその適格分割等の直前の時までに買換資産を取得し、分割承継法人に移転する場合にも圧縮記帳を行うことを認めさせている(租税特別措置法65条7項9号)。石油、エネルギー産業、金融資本家は、圧縮記帳による内部留保すなわち現金留保を他の資本家に投融資して利子配当の原資を得るのである。 圧縮記帳は、国際金融資本家の資本関係、現金留保義務を土台に成立した制度であると言えるのである。