納税者が、アメリカ合衆国ニューヨーク州法に基づいてLLCを組成し、LLCが行った不動産賃貸に関する収益、支出及びLLC名義の預金利息収入を構成員たる納税者の不動産所得、雑所得として、所得税確定申告につき、税務署長は、本件LLCが行う不動産収益によって生じた損益は法人としてのLLCに帰属すること、納税者が受け取った分配金は配当所得に該当するとした。判決は、納税義務は、各種の経済活動ないし経済現象から生じ、それらの活動ないし現象は、第一次的には、私法によって規律されているとし、租税法上、法人に該当するか否かは、私法上、法人格を有するか否かによって基本的に決定され、外国の法令に準拠して設立した社団や財団の法人格の判定に当たっては、当該法令の団体の実質しより判断するのが相当とし、訴訟当事者になれること、法人の名において財産を処分すること、法人の名において契約を締結すること、法人印を使用することから検討を加え、LLCは法人に該当するとした(さいたま地判平成19年5月16日。東京高判平成19年10月10日)。

 LLCは、米国の税法上のチェックザボックス規定により、法人課税又はパススルー課税すなわち構成員課税を選択せざるを得なかったにかかわらず、構成員が現金を投融資し、生産手段を取得し、使用する労働力商品、取引先の労働力商品の労働を疎外して搾取した留保現金してきた過程が現実に存在し、登記を媒介に法律上、資産、権利を取得し社会に認めさせざるを得ないから、実体がある。日本の国税庁は、国際金融資本との資本関係、生産関係から、外国法人に該当するか否かは州毎の個々の設立準拠法に照らして判断すると言い切っている問題があるが、判決は、経済現象から納税義務が生じるとしているという問題はあるが、各州の設立法に準拠して設立された米国LLCについては、統一LLC法も構成員とLLCは別個の法律実体であるとしている。よって、日本の民法上、税法上の外国法人に該当することになる。