株券や株主名簿に株主の氏名が書かれていない無記名株は、1991年4月に廃止されるまで社会に認めることに成功していた。会社側は、株の所有者が変わった場合の名義書換は不要であり、株主への告知で足り、コストを抑えることができた。
株の所有者は、株式会社に供託することによってはじめて株主の権利を行使できるというものであった。国際金融資本所有の日本の法人が無記名株式譲渡により投融資を行い、政治家に無記名株式が譲渡されたとしても、無記名の株式を交付した日本企業は国際金融資本家に所有されており、国際金融資本から資金提供を受けているから自由意思で行動しえない。
国際金融資本に安く買い取られることにより報酬とみなされ生産関係が継続する。昭和41年に株式の裏書譲渡は廃止されているから、株式の氏名は株券の記載事項から外されている(商法216条)。
株式会社における株式譲渡は、株券の交付で足り、名義書換を行うことにより、株主であることを社会に認めさせることに成功する。
名義書換を行う必要がない株式が廃止されただけであって、名義書換をすることにより社会に株主であることを認めさせる無記名の株券は存在する。
無記名の株券を所有することにより、名義書換をするまでは未だ株主名簿に記録されていないから、第三者に譲渡することも可能であり、譲り受けた者が株券発行会社を買収でき、名義書換しなければ、親会社、子会社、関係会社の取扱いを受けることを免れ得る。
オフショアの法人を設立して、オフショア法人の無記名の株券を所有していれば、オフショアに利益を移転している国際金融資本が投融資する法人とオフショア法人が親子会社の関係にあること、関係会社の関係にあることはわからない。
無記名株式が廃止されて、政府と財界の癒着がなくなったと喜ぶことはお花畑であって、無記名株式の廃止と商法改定は、国際金融資本と日本の全資本家の集まりとの資本関係により成立したのである。