さいたま市の職員が残業時間年1,873時間、時間外手当年783万円、年収1,574万円を受けていたことが問題となっている。
問題として定義されているのは、長時間労働のことではなく、もらい過ぎではないかという問題提起や虚偽の残業時間申請であるとか不正受給ではないかといった問題提起なのである。
日本の労働者は、アメリカ資本家との資本関係により公務員数削減、公務員給与削減に応じさせられている。借金の返済できるか否かは資産と負債の差額であるのだが、日米の資本家は、日本の資産額の存在についてはアピールせず、借金ばかりクローズアップする。金融資本家が資本関係を買収され産業資本家をせざるを得なくなることから、所有する日本を含む世界の子会社に内部留保に応ずることをせざるを得なくしていることを、国際競争力であるとかグローバル経済という言葉に置き換えてアピールする。原爆が投下されれば、労働者の給与、賞与の削減に応じざるを得なくさせられる。自由意思を有せず、日米資本家との生産関係に基づいて労働する公務員、民間企業の労働者を叩けば、アメリカ資本家の思う壺である。そんなに労働者を戦地に派遣して労働を疎外して金儲けがしたいのか。
アメリカの資本家が、内部留保の蓄積が足りずに買収されるリスクという実体のない方便を用いるのであれば、自らの経済運営が下手くそであると言っていることなのである。労働者は痛みに耐える必要などないのである。民間企業でもIBMが、終業30分前に解雇通告を行い、終業時間内に荷物をまとめさせるロックアウト解雇が行われた。成績不良というだけで、具体的な根拠を明示されることなく解雇されたのであり、これでは、解雇された理由が知り得たか知りえないかに関係なく、現実の処分理由が確定できないし、問題提起することができない。労働者に問題提起をさせる時間を与えないのである。
IBMは、やめさせる人員をピックアップし改善目標という名目の過酷なノルマを課し、退職せざるを得なくさせてきたと言われている。給与と請負は違う。技術の進歩に対応できていないというだけで解雇することはできない。労働者は、肉体と資本家がフィクションした時間すなわち現実には生活を売って義務を果たしているのであるから、労働者が問題提起してだけで解雇を行うことができない。勤務する日本IBMの2011年12月期の純利益は272億、内部留保は3、300億である。
また、搾取利得を生産しうる労働者を資本家は、手放さず、その者に仕事を盛って、長時間労働をさせてハローワークに行く時間を無くしている。正に社畜である。メディアや会計税務に携わる者や御用学者は、こうした資本家を神格化することに協力させられているのである。労働者は、退職届という法律行為により生産関係を終了させることができるから強制労働に応じる必要がない。「お前がやめることによって他の労働者の負担が重くなる」と資本家に脅かされても、労働者の負担が重くなると考えているのであれば雇用を増やすか資本家自らが労働すれば良いのである。