同族会社の判定、同族会社の行為計算否認、使用人兼務役員になれない者、法人税法上の役員に該当するかについては、同族関係者をグルーピングして同族関係者との関係が考慮に容れられる。経済上法律上児童労働が禁止されているから、親に養われ、親が主人ということになる。結婚によって、男又は女は主人が変わる。専業主婦は閉じ込められ、共働きで生計が別でも、資本家に子供を作らせられるから、双方がその子供に投資しているから、親子間、父親と母親の間に生産関係経済関係が成立し、経済上資本上一グループが形成される。

資本経済は、人はその意思に基づいて行動するという世論を形成し、人による人の支配がないという属性を経済に込めた。しかし、現実には、人の意思が経済を土台に法律に基づき形成されるのであり、資本関係上、生産関係上、経済関係に基づいて、経営や労働を行わざるを得ないのであって、自由意思は介在せず、人による支配、被支配の関係の問題ではないが、資本関係、生産関係、経済関係が存する限り、資本家と労働者である子の関係は平等であることはありえない。人には、夫婦愛、家族愛、親子愛という本能や遺伝子はない。

閨閥は、唯心論を拠り所に形成されたのではない。先に資本関係、経済関係を形成させて、それを拠り所に作られる。経済関係を土台に生じさせたり、破壊せしめたりする。夫婦愛、家族愛、親子愛といった唯心論によって定められたのではない。一家族を1つの経済関係とみて定めているのである。これらの唯心論は後付けの方便である。搾取されているのは労働者である。大法人の資本家から搾取されているのは、中小企業の経営者ではない。その労働者である。

非同族会社の資本家は、別の資本家や金融資本家との資本関係によって労働者の搾取を行う。同族会社の資本家は、金融資本家との資本関係から搾取を行うだけで、内部留保を土台とする譲渡制限株の存在は留保金課税、相続税の根拠となりうるのであるが、高額役員報酬の額面といった現象だけを見れば、他の産業資本家との資本関係は存在せず、自由意思で経営できるように見える。しかし、取引関係のある資本家、取引関係のない資本家、金融資本家との間にある経済関係により自由意思を経営に介在しえない。

しかし、複数の大法人の大口株主となって、直接、間接に投融資している者の労働者からの搾取利得は同族法人の役員報酬の比ではない。資本家は、大規模法人の留保金課税を免れることと、投資家優遇税制を法律、政治を媒介に社会に認めさせてしまったのである。大法人の留保金課税、有価証券売却益課税、配当課税を強化し、海外資産を含めて相続税100%にして、階級固定化を防止し、金融資本家による搾取の永続をストップする必要がある。