企業会計の分野や取締役会などにおいて経営上の意思決定と言われることがよくある。しかし、現実には既成又は将来の経済関係の確定である。登記だけでなく、帳簿上に資産、負債、費用、収益、損失を計上することは、個々の経済上の取引の結果又はプロセスを計上することにより、個々の経済取引の結果又はプロセスを法律を媒介に社会に認めさせる商法上の行為である。計上するか簿外にするかについて、又は一の経済取引について経済関係上ありうる全ての数値、計算方法、結果の中から選択せざるを得ないのであって、選択して確定しなければならないのであって、選択確定するしないに自由意思はない。原因となった既成の事実関係の全体化を土台にして問題提起を全体化して、勘定科目と数値を確定しなければならず、それを変更するには、必ず、土台となる経済関係の変形がなければならず、資本家がその目的論に基づいて恣意的にそれを変更することはできないものと解されるのである。