[事実関係]
東京地裁において、内国法人とその国外関連者につき、貢献度利益法による所得の再配分を行った国税側の処分を維持する判決があった(東京地裁平成24年4月27日)。
[解説]
国税側のした処分は、法人にとって、税務・会計の前提として利益の獲得に必要でない経費は、損金となりえないのであって、国税側が内部留保の獲得、蓄積の主たる要因である人件費を含め、販間費全体を基に親子会社の利益を分割している点では、法人内外の生産、経済構造面から問題提起の全体化を行いつくしたかという問題は成立しうるが、現象面では問題提起の全体化を行っているとように見える。
しかし、親法人と関連法人を一体とみなして、それらの合算利益を分割する貢献度利益法は、全ての法人が、経済的利益を、その自由意思の介在することなく登記することにより、法律を媒介にして社会に認めさせるというプロセスに鑑みれば、連結納税においても言えることであるが、当該法人の土台となる経済関係から一層乖離したものとなりうるであろう。