生産手段を有しない一労働者は、生産手段を所有する資金がない。資金を得て生産手段を獲得したとしても資本の量、生産量の限界は、いかに努力しても大規模資本の生産量の限界に遥かに及ばない。国家は資本家共通事務委員会であるから、国営化しても、国家は、経済関係の搾取問題を調整しない。増税して国家を肥大化集権化させても、規制緩和による市場経済と同じ結果となる。だからといって、武力を媒介に私有財産、生産手段を略奪するという行為は、全ての人民の経済の基盤となる生命肉体を破壊し、経済関係とその上の問題提起に基づかない非科学的な行為は許容しえない。法人における内部留保金額は、労働者から給料を搾取してきたことによって形成されてきたものである。設立当初の現実に払い込まれた資本金の原資も産業資本家、金融資本家による労働者からの搾取である。

したがって、資本関係が形成されるまでのプロセス、構造に鑑みれば、内部留保の持分は、現在の株主又は株式を売却して手にした利得は、株主であった者の持分ではないことになる。蓄積された内部留保は、労働者の持分であると看做せば、労働者の必要に基づき生活費の未払分、不足分に充てられた後、資産の購入、資本の使途については、労働者や取引関係者、消費者から既存の経済関係事実、問題点を個別に聴取し、全体化して使用されなければなれない。つまりは奴隷解放である。法人の生産手段は労働者の共有物となる。資本家やその技師である経営者の唯心論、目的論による使用はできないということになる。経済関係に即した生産計画が行われ、軍事支出、資本家のみの利益を優先する政党への献金、生命保険料、遊休レジャー施設、借入利息、国債利息の支払、交際費、会費、湯水のごとく使用された広告宣伝費、高額管理報酬、高額配当が抑止される。学術、医療に使われる。資本家の経済関係に基づく、資本家の子弟による政治を終焉させることができないという前提を崩しうる必要がある。