関係法人に対し業務委託料を支払い、関係法人の貸付金と相殺処理をしていた件につき、当該金額は、関係子会社に対する貸付金であるとして損金算入を否認する更正処分が行われた。処分を受けた法人は、審査請求を行ったが、業務委託料名義の金額は、貸付金であり、その利息計上を益金計上を要するものとして審査請求が棄却された。国税不服審判所裁決においても役務提供の実体がないこと、貸付金と相殺されていることをもって、当該業務手数料は、寄附金に該当するとした(国税不服審判所裁決2001.8.23)。
役務提供の実体があれば、その対価を支払わないということは、取引相手方の労働者からの搾取である。役務提供の対価の支払債務の弁済に貸付債権を充てることは、経済関係上成立しうる。裁決の理由は、役務提供の実体がなかったことだけで足りるのではないか。