支払の全部又は一部が損金不算入となる交際費等について、ある文献は、下記のように言う。

「(交際費等)とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの(専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常する費用その他政令で定める費用を除く。)をいう。」(措法61の4③)と定義されている。

この定義を文理的に分析し、交際費等となるための要件を列挙すると次のようになる(山本守之著・交際費の理論と実務43頁)。

①支出の目的→交際費、接待費、機密費、その他の費用であること

②支出の相手方→得意先、仕入先その他事業に関係ある者等に対するものであること

③行為の態様→接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するためのものであること。

私見として交際費の要件について述べさせてもらうと、下記の面を調べる必要があるのではないか。

①支出の相手先、すなわち経済関係を既に有しているか、相手方は当該法人と取引せざるをえない土台があるか、経済関係からみて、当該支出をせざるを得ない相手でありうるか。

②行為の態様、すなわち、取扱商品の提示、説明、契約に係る商談が行われたか、

③支出の原因となる経済関係上の事実とそれを土台にしてみるに当該支出せざるを得なかったこと、経済土台がある義務であること。現金留保義務すなわち過程の土台となっていること。飲食物、娯楽を供与して当該債務を代物弁済したこと。

④しかし、売上代金を返還する義務ではないこと、⑤純資産の減少があること。⑥取引先法人に資産、役務の収受、経済利益の享受があること。

買い手は、経済関係、経済的利益を享受したことに基づいて購入するのであって、人情で買うのではない。販売の目的や効果を期待して支出したといのは、実体がなく、それに基づいた支出は、前払金、投資である。販売者の目的や効果といったものは方便であって、交際費の成立要件とはなりえないであろう。

①から③を見れば、金額の多寡は交際費か否かの問題提起、推量の材料としてみた場合、経理上の決定に及ぼす動作は、現金留保が経済関係の確定すなわち契約に及ぼすことから見れば考慮する要因にはなりうる。交際費は、全てが収益と対応する原価であるとは言い切れず、金銭を投じて商談及び飲食を行ったとしても成立するというものではなく、純資産は減少する。労働者に支払が転嫁される。契約に至る過程の土台は、法人の資本家との資本関係を土台とした既存の法人の現金留保であるとすれば、支出の土台はあるのであるから契約の不成立を持って損金算入を妨げる原因とはなり得ないであろう。

⑤は、債権の回収が資産の提供により行われ、当該債権による経済利得が、配当の土台となる現金留保となるのであるとすれば、取引先が資本関係のある法人で、投資のリターンという方便による専ら資本関係のみを土台とした金銭、資産の支給であるとすれば、配当ということになることもあると思われる。