行政庁の解釈を公に明らかにしたものとして、通達なるものが存在する。行政と納税者の間にある行政による経済関係上にある一方的な権利行使という関係を鑑みれば、納税者との間にあるのは、義務であって、自由意思の介在する責任というものは成立しえない。権威という上層によって運営する、すなわち、経済関係の全体化を放棄する行政運営は成立しえない。権威による行政という現象面からの捉え方は科学者の態度ではないであろう。下級行政庁を拘束し、裁判所、納税者を拘束しない通達なるものは、行政側に逃げ口上を与えているのだ。課税をしない旨の取扱いについては、法律だけでなく、通達においても、現実には資本家に従わざるを得ない経済関係にあるのであるが、納税者に自由に選択する権利があるかのように規定して、納税者が不利益になったとしても納税者の自由意思に基づくものであるから、自己責任であるとするのである。