全ての物には価値という属性は備わっていないから、商品にも価値という属性は備わっていない。製造者若しくは販売者又は購入者が価値という属性を与えているのである。巷間の学者らは、季節性について、流行やモデルチェンジが頻繁に行われることを言っているのだが、流行性という属性が備わっている訳ではない。流行だとか陳腐化だとかは商品に価値を与える行為が原因となるもので、モデルチェンジによって生産量が向上することはあっても商品に価値などという属性は備わっていないのであるから、商品そのものの価値に変動があってわけではない。商品評価損と言っているものは、当該事業者同業界の他の事業者が内部留保命令により自己の扱う製品に高い価値があるかのように社会に認めさせることに成功したことにより、当該事業者が自由意思の介在する余地なく安い価格で販売せざるをえなくなったり、対価を絞られたりという経済関係により損失を前倒しで計上することである。経済関係によって売上高実績と価格が規定されるのである。当該事業者は、評価損の法律上の要件ではないが、決算日の翌日の3か月以内程度に安く販売したという事実があったことを記録して安く売らざるをえなかったというのが方便ではなかったことを課税庁に証明しているのである。