課税庁は、租税の持つ一方的な権力行使の関係から、既成の経済的事実関係を全体化し、問題提起を全体化し、科学的に推論し、調査によって確認し、更正処分に至る根拠を全体化して通知書面にすることが義務付けられる。こんなことを義務づけていたら更正処分の除斥期間5年(偽りその他不正の場合は7年)に終わらないのではないか、終わらなかった場合はどうなるのかという疑問を持つ者もいるかもしれない。現実には、一事業年度当たりの更正処分の数を税務職員数で除した数は、2件程度で過重な負担ではないのであるが、それでも終わらなかった場合には、更正処分は行えないのである。大量性であるとか反復性であるといった属性付与は、金融資本家の全資本家への資本関係、金融資本家の現金留保義務、現金回収義務に基づくものである。資本関係、現金留保を土台とした金融資本家による一方的な権力行使の関係に鑑みれば、租税行政の事務が大量且つ反復するものであるとか、行政コストがかかるであるとか、早期に確実に徴収することが要求されるであるとかの主張は更正処分の理由附記の義務の前には、後退する。つまりは、調査手続方法、理由附記の全体化の方が優先されるのである。