税法の解釈は、民商法をはじめとする私法と私法上の効果が大前提とされるが、それは大きな間違いである。大前提となるのは、当該事案に係る経済上社会上の既成の事実関係である。法律は土台の上層であって、法律上の行為を行うことによって社会に当該事実行為を認めさせることとなる手段にすぎない。そこに自由意思が介在しない点で目的論よりは下層である。判例学説も上層で推論の際の一材料にすぎない。税法学者は、租税法律主義を伝家の宝刀の如く振りかざすが、土台となる当該経済関係から距離を置くことから課税適するか否かの根拠としては非常に弱いものなのである。